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船内を捜索していると、祐基の目の前に五人もの手下が現れた。
五人の中で一番動きが敏捷なフードをかぶった男が、果敢に攻撃を仕掛けてくる。
祐基はどうにかよけて、すぐさま反撃に出た。
相手も祐基の拳をギリギリでかわす。
「おーっ、あっぶね。強くなってやんの」
え?
聞き覚えのある声に、祐基がハッとして顔を上げた。
フードを取ったその男はなんと……稜雅だった。
稜雅はさっと祐基の背後に回った。
ふたりは背中合わせになる。
「おまえ、何やってんだよ!」
「潜入調査」
「海拉致られたんだぞ」
「電話したけど間に合わなかった」
ふたりが話していると、手下たちが攻撃してきた。
ふたりは同時によけたが、稜雅は死角から現れた手下に襲われそうになる。
それを察知した祐基が、寸前で蹴り飛ばした。
「稜雅!ありがとうは?」
「言うか、バカ!」
稜雅がニヤリと笑って言う。
この皮肉っぽい笑い方に、祐基はどこか懐かしさを覚えていた。
ふたりは水を得た魚のように次々とパンチやキックを繰り出し、息の合ったコンビネーションで手下たちを倒していった。
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作者名:MaRU | 作成日時:2018年4月26日 0時