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淡い期待 ページ15

神威side


阿「…アンタ、変なもんでも食ったか」

威「……何が言いたいの?」


……仕事中。唐突に阿伏兎は俺にそう言い放った。今日の地球での仕事は会談ということで、俺は会場の椅子に腰かけて資料に目をやりながらそう返した。阿伏兎には目もくれないまま。


阿「いやぁ、地球(ここ)に来てからというもの、アンタ妙に働き者だからよォ、道端に生えてる変なキノコでも食ったかと思って」

威「働き者になるキノコって一体どんなんだよ」


至極どうでもいい……仕事的には良くはないのだろうけれど、俺にとってはどうでもいい内容のその紙切れを眺めてはそう呟く。

まぁ、ここ最近の俺の働きっぷりは相当なものだろうと自分でも思っているのだけれど。まるで珍生物を見るかのような目で、阿伏兎及び第七師団の奴等から見られているのも事実で。

……まぁ、それも早いとこあの場所に行きたいからっていう理由なんだけど。


威「何だよ、文句でもある?団長が真面目に働いてるのに」

阿「いやいや文句はねぇよ?寧ろありがてぇくらいだ。これからもそんな感じでヨロシク」

威「さぁね」


……今はあの場所に行きたいからっていう理由があるからいいけれど、理由がなくなり次第、俺のこのやる気も消えてなくなるのだろう。俺はそんなに出来た奴じゃないからね。


…と、そんなことを思っていれば、今日の会談相手である、鬼兵隊の連中がこの場に姿を現した。


高「待たせたな」

威「……ホントだよ」


ほら、やるならさっさとやろうよ、と。俺は急かすように鬼兵隊総督であるそのひとつ目の男、高杉晋助を見据えて言う。


*

……それから小一時間程。鬼兵隊の連中との会談を終わらせ、俺はそそくさとこの場から退場するべく準備をしていた。早いとこここから出て、あの場所に向かう気満々であった。


……今日はお弁当、持ってきてくれんのかな。

なんていう淡い期待をしていれば、「随分と楽しそうだなァ」なんて声が前方から聞こえてくる。見てみればそこで煙管を片手に俺を笑っている男が。いつも殆ど無表情のソイツが珍しく笑みを浮かべていることに、俺は今は面倒臭さしか感じない。


威「そう?知らないけど、今忙しいから」

高「今日は素っ気ねェじゃねぇか、なんだ?」


……女でも出来たか、と。そんな言葉に俺は悔しくも反応を示してしまう。思わず目をやれば、晋助はニタリと片方の口角を上げた。

綺麗なものが→←変な奴



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設定タグ:銀魂 , 神威   
作品ジャンル:アニメ
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月兎。(プロフ) - ピピコさん» ふふ、今だにみに来てしまいます笑。私も作品をかいているのですが昔みた時のこの小説の印象が強くて。私の小説はピピコさんの小説に結構影響されてます。これからも頑張ってくださいね!素敵でした! (2018年4月6日 18時) (レス) id: 62fe788d65 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 神威いのちさん» 神威いのちさん!ありがとうございます!!5回も!!たくさん読んでくれて嬉しいです!こんなシーンが書きたいとかシーグラスを使ってみたいとか、そんな私の嗜好が詰まったお話でしたが、お楽しみ頂けたなら幸いです!読んで頂きありがとうございました! (2018年3月10日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 月兎。さん» 月兎。さん!ありがとうございます!!わぁぁ探してくれたんですか…!初めて書いた神威さんのお話なので、すごく考え込んだんですけど、そう言って貰えるなら書いて良かったなぁと心から思いました!情景描写も頑張ったので嬉しいです!ありがとうございます! (2018年3月10日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
神威いのち - むちゃくちゃ感動しました!何回見ても飽きません!因みに私、この作品5回くらい見たんですけど、何度見ても涙が止まりませんでした! (2018年3月10日 14時) (レス) id: 28f8b922b6 (このIDを非表示/違反報告)
月兎。(プロフ) - 思わずため息が出るほど素敵な作品でした。以前この作品を読んでもう一度読みたくて、探してまでここに来ました。語彙力ないのは許してください笑。一つ一つの表現が綺麗で、実際にそこにいるかのような文章でした。素敵です。最高でした!! (2018年3月1日 15時) (レス) id: 62fe788d65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2017年7月28日 21時

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