不器用.6 ページ6
貴「……っ！」
目が覚めてボーッとする間もなく覚醒する
寝ちゃってた…！
貴「あ…」
寝るときには被ってなかったブランケット
お風呂場からシャワーの音がする
…春くんが掛けてくれたんだ…
すぐに分かって頬が緩んだ
私が春くんに惚れた理由
優しいところ
ブランケットを掛けてくれるなんて優しすぎる
いつも冷たいのに時々見せる優しい部分
そんな所が好き
政略結婚、って顔合わせのときに
両親が2人で話してきなさいと言って
私たちを追い出したときも
会話なんてひとつもなかったけど
私に合わせてゆっくり歩いてくれて
何も言わず車道側に移ってくれて…
…この人とならいいかな、って思った
まぁ…春くんは思ってくれてないけど…
1年経ったらきっと離婚
それまでは嘘でも春くんの隣にいたい
愛情なんてなくていいから
かかっていたブランケットを畳んで
自分の横に置いたとき
三途「……」
春くんが部屋に戻ってきた
私が起きていたことに驚いたのか
一瞬目を見開くけどすぐに真顔に戻る
貴「おかえりなさい、春千夜さん。ブランケットありがとうございました」
三途「……お前が風邪ひいたらマイキーに怒られんの俺なんだよ。気をつけろ」
貴「…はい、ごめんなさい…気をつけます…」
冷たく言われてまた悲しくなる
貴「えっと…お夕飯は…」
三途「いらね」
貴「はい…」
…今日も食べてもらえなかった…
三途「そんなとこで寝るくらいならベッド行けよ。別に“お出迎え”とか頼んでねぇから」
貴「ごめんなさい…」
春くんが頼んでるからじゃなくて
私が「おかえりなさい」を
言いたいだけなんだけど…
なんて言える訳もなく
ただ謝ってうつむく
三途「元々ブスなのによぉ、寝不足で余計ブスになんだろうが」
貴「…っ、」
心臓がギューって締め付けられる
泣きそうになるのをグッと堪えた
…泣くなんて、絶対だめ
泣いたら面倒臭い女と思われる
これ以上春くんに嫌われるのは御免だ
貴「…ごめんなさい…」
三途「……」
貴「おやすみなさい。春千夜さん」
リビングの扉を閉めながら彼にそう言った
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咲良(プロフ) - Yさんさん» 何回も読んでいただけていることに感激です……嬉しいコメントありがとうございます！ (1月1日 17時) (
レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
Yさん(プロフ) - ホンマにこれって何回読んでも神すぎて好きです♡不朽の名作ってやつ！？好きーっ♡ (12月29日 22時) (レス) @page41 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なるせさん» ありがとうございます！場地さん最後になっちゃいました…他の作品が完結したらすぐ書き始めるのでお待ちください…！ (2021年12月17日 0時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ - んんんん好きです!!んと場地さんのが見たいです!!順番最初だと嬉しいなあ、、!? (2021年12月16日 22時) (レス) @page37 id: 875c8ad43b (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - おふとんさん» ありがとうございます！勢いがすごい！笑 (2021年12月12日 23時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山口咲良
| 作成日時：2021年11月12日 17時
