【坂】幼馴染と先生【船】 ページ16
「あれ〜?これ自信あったんやけどなぁ」
配布された1枚の答案用紙を見ながら苦笑いで頭をぽりぽりとかく隣の席のさかたん。
『もしかしてまた赤点?』
「Aだっていつも赤点ギリギリやん」
そう言い返されて、私は予想通りだとニヤリと笑う。
なに笑てんねん、と目を細める彼の目の前に自信満々に紙をつき出した。
「は!?90点!?!?!?」
『私やればできるんだよね〜』
「なんでや!?おい!!カンニングしたろお前!!」
『してるわけないでしょ!実力!』
幽霊でも見たかのような驚きっぷりと私に差をつけられて焦るその姿に周囲の生徒も笑う。
『実は塾通い始めたんだよね』
「塾だと…!?」
『学校よりも授業分かりやすいし、なにより……』
「なにより?」
『先生がかっこいい』
最近通い始めた、小さな少人数制の塾。
そして頭に思い浮かべたのは、分からない問題を丁寧に教えてくれる先生の優しい横顔。
「は?」
『顔も声も教え方も全部完璧だし…はぁ…』
「……なんやそれ」
頬杖をついて呆れた目でこちらを見つめるさかたんの視線に気付き、はっと我にかえる。
『も、もちろん1番の目的は成績上げるためだけど』
「お前にこんな差つけられるとは……」
『もう私のことバカって言えなくなるね〜』
いつも何かやらかす私をバカだバカだと笑ってくるさかたんをようやく見返すことができると、少し嫌味を込めてそう言ってやった。
「うるせぇなばーか」
『こっちは90点だよばーか』
「……ばーか!!」
『ばーか!!』
そんなくだらない小学生のような言い争いのあとに笑い合う時間が、実は好きだったりする。
281人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松野かほ(プロフ) - センラ先生好きだけど…坂田くん…うぅ……頑張って坂田くん… (2020年8月11日 17時) (レス) id: 845a75d25b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうは - まーかーさん» コメントありがとうございます!センラさんの大人な感じ好きなんです…! (2020年8月10日 17時) (レス) id: 5abfe30b19 (このIDを非表示/違反報告)
まーかー(プロフ) - センラ先生がめっちゃ格好いいです...! (2020年8月9日 20時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうは - かんあさん» そう言っていただけてとても嬉しいです!ありがとうございます頑張りますー! (2020年8月8日 22時) (レス) id: efd2920303 (このIDを非表示/違反報告)
かんあ - 志麻さんのストーカーの話めちゃめちゃ好きです!これからも頑張ってください! (2020年8月7日 14時) (レス) id: fba64eca5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆうは | 作成日時:2020年7月19日 21時