間一髪。 ページ14
乱「Aちゃん!!!」
ファサッ
綺麗な柔らかい金髪が頬に当たる。
鼻をくすぐる甘い香り...
ガキンッ
ドスッ
突然現れた乱姉様に驚く前に、敵は消滅していた。
目にもとまらぬ速さで現れた乱姉様は、間一髪のところで
私へ振り下ろされた刃を跳ね返し
相手の心臓目掛けて刃を鋭く打ち込んだ。
敵の返り血を浴びた乱姉様がこちらを振り向く。
眼は爛爛と輝き、頬を上気させた乱姉様はどこか狂気的で恐ろしかった。が、同時に
とても美しかった。
乱「大丈夫?Aちゃん、立てる?」
『は、はい。』
そのまま近づいてきた乱姉様は、私の体調を心配し
手を差伸べてくれた。
フラッ
トサッ
手を取って立ち上がったは良いものの、やはり先程のダメージの所為か
よろけて乱姉様に寄りかかってしまった。
乱「っと、やっぱり大丈夫じゃなさそうだね。」
『うぅ、なんだか背中が痛みます...。』
乱「うーん。(もしかして、骨折れてるかも)
Aちゃん。帰ろ。」
『え、でも敵はまだ__』
乱「Aちゃん、全員無事帰還するっていうのは
Aちゃんも含めて、全員で無事帰るって事なの。だから、もう帰ろ。
Aちゃん、怪我してるでしょ。」
『...。(せっかく初陣で隊長なんて大役任せてもらったのに、情けない。でも...)
わかりました。』
こんなところで諦めたくないけど、でもこれで私が大怪我をすれば迷惑なのは皆さん。
帰るべきだ。
『__全員!!』
大声を張り上げて、皆さんがこちらを向く。
『撤退!!』
全員、今戦っている敵を躱し
建物を出る。
ラッキー隊長
小夜左文字
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作者名:杜 | 作成日時:2024年1月2日 1時