リライト 2 (ページ1)

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ジェシー

白いバックのスタジオにいくつものライトとレフ板。相変わらずテンションが高く調子のいいギャグをかますカメラマンの向井康二だが、その目は真剣だ。

ユウさんが熱を出したあの日、俺が思い付いたのはユウさんをモデルに雇ってお金を渡すことだった。

丁度サイトに載せる様に撮りたかったものがアンバー色でユウさんにピッタリだったのだ。

そんなことを伝える前に体力切れでユウさんはダウンしちゃったんだけど、、、。

ユウさんに土下座の勢いで頼み込んで了承を得たあと京本にその話をすると、断らないとか言いつつ理論的にごねられた。負けそうになったけど「規約に書いてないです！」と言ったら顔の露出無しならと許可が降りた。

嫌がらせで10万請求されることになったのは気にしない。

「いいね！ユウさん最高やね！目線こっちに持ってこようか。そうそう！」

顔の角度や表情、目線まで指導されるユウさんが俺に話が違うと怯えてるのがひしひしと伝わってくる。

安心して、無断で顔載せて京本に怒られるとか俺も嫌だから。

康二も首までしか載せないとわかっているけどなんせ雰囲気を大切にする。見えないとしても伝わると考えているらしい。

「じゃあ横向いて。そうそう！で、スリットが見えるように手は広げて！前傾して、片足あげちゃって！えーやん！腹チラ貰ったで！」

「ちょっと！」

「冗談やって！ユウさんかっこええで！」

康二のテンションに押されぎみのユウさんだけど、相性は悪くなさそう。

最近結局モデルもやり始めた目黒はというと、黒いワイシャツと白のパンツに身を包んでパイプ椅子に座っている。机の上のユウさんのペンダントを険しい表情で見つめていた。

気になって歩み寄ってみる。

「どうした？」

「あ、、いや、、」

「ペンダントが気になるの？」

「はい、、まぁ、見たことある気がして。でもやっぱ違うかも。」

忘れてください、と目黒が言った。