推しに認知、されました。

推しに認知、されました。　Kr 2 ページ10

私が推し始めてからはや7年、コラボのカフェが開催された年らへんに流行した新型ウイルスも以前のように猛威をふるうことはなくなり、一般的な風邪として扱われるようになった頃。

私の生き甲斐であり生きる糧でありまた自分の情緒や生死に関わる私の推しはついに自作のゲームを制作、販売することになった。
さらにそれに伴って本人参加のイベントが開催されることとなった。
正直推し始めた頃はこんなに大きくなるなんて思ってなかったし、ここまで大きくなった人たちを前々から推せてたことに優越感を抱くのは仕方ないことだろう。

私の日頃の行いが良かったのか、一つの名義でチケットの当選の連絡がきた。
ずっと会いたかった、生声を聴きたかった推しは
目の前、なんて時に限って不幸って起こるんだよね。

なぜか私は今ちゃらちゃらの変な人に絡まれている。
もう、あと少しで入場時間になっちゃうのに。
あーもう。
この人達のせいで入れなかったらどうしよう。

「ねえねえ、今暇でしょ？いいバーしってるんだよね、俺らと一緒にどう？」

「やめてください。予定があるんです。」

「いいじゃん。」

そう言って腕を掴まれそうになったその時。

「すみません。うちの連れが何か。」

え、あれ。私彼氏なんていたっけ。

「ごめんね。ちょっと我慢して。
　失礼します。」

私がたくさん呟き続けた名前の人で、
たくさん聴き続けた声を持つ人だった。

「本当にごめん。勝手に連れとか言っちゃって。
　かわいいから彼氏とかいるよね。無事、？」

「大丈夫です。彼氏はいません。
　助けてくださりありがとうございました。
　危うく入れなくなっちゃうところでした。」

「入る？この後の予定？」

「あ、ちょっとイベントに」

「え、もしかして、」

「すみません。知ってるし、なんなら。」

推しです。

「あ、そうだったんだ。ボーッとしてたのはそれが理由か。」

「お時間とか身バレって大丈夫なんですか？」

「もうイベントするし、いっかなって。でもNakamuたちに怒られるのは癪だからもういくね。」

「ありがとうございました。」

「いいって。楽しんでってね。」

この後のイベントでちゃっかりファンサされちゃいました。なんだったら控室にまでよばれました。えへ。

やっぱり声だけでも人って判断できるんだね。
推しに認知、されました。


りくえすとして下さった成瀬 紬@ぷち同士組さん、
ありがとうございます！

これ、他のメンバーさんの需要ってありますか、？

推しに認知、されました。　Na 2→←小噺　！ネタバレあり！　すりー

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