21 ページ22
あ〜歩き辛い…
一応、過度な運動暫く禁止を条件にぺ神から日常生活に戻って良いって言われたけど杖って本当辛い…
カツカツと嫌程音を立てながら中庭を歩いているとひとらんが話しかけてきた。
ht「A、もう医務室出て良いの？」
『うん、本当は杖無しで歩きたい程に元気だからね』
ht「なら良かった。俺、あまりAの見舞い行けなかったから不安だったけどその様子じゃ心配しなくても大丈夫そうだね」
そう言えばひとらんにはご飯当番を任せてたけど彼って普段何してるんだろ？コネシマ達みたいに訓練場や森に居るわけでも無いし。
『ねぇひとらん。ひとらんって普段何してるの？訓練場では見かけ無いけどもしかして書類？』
ht「そっか、Aには紹介して無かったね。ついて来て」
ひとらんに案内されたのは森とは反対側にある畑に馬小屋などの動物の小屋。
こんな所あったんだと関心しながらも側にあったベンチで先に小屋に行ったひとらんを待っているとひとらんが戻ってきた。
ht「お待たせ。ここは全部俺の畑とかなんだけど、収穫した物は食堂でみんなに食べて貰ってるんだよ」
そう言うと彼は後ろに回していた手からひよこを見せてくれた。
『え、そうなの？凄いね。ってひよこ？可愛い！触っても良い？』
しかし、横風が吹いた途端ひよこは突然鳴き始め僕から距離を取る様にひとらんに近付いた。
ああ…まぁやっぱりそうなるよね…
ht「ごめんねA。コイツらAを嫌ってる訳じゃ無いんだよ。ただ…」
『左目の事でしょ？僕は気にして無いよ。旅中よく子供に泣かれてたから』
前髪が風に煽られて左目に光が当たったのを感じる。
するとひとらんは自分の帽子にひよこを入れて視界に入らない場所へ移動させた。
ht「俺も同じ様なものだよ。マスクがないと大人にですら恐れられるからね」
そう言ってマスクを取った彼の口元を見て息を飲む。
優しく微笑む整った顔を歪ませている耳の近くまで有る痛々しい傷痕
ht「グルッペン達と出会うまで軍人として住んでた国で色々有ってね。Aと出会った時直感で分かった、あっこの人俺と同じ人間だって。同じ様に怖がられてきた人だって」
そしてマスクをつけ直す。
『それは、辛かったね…それ、もう痛くは無いの？』
ht「うん、痛くも無いし日常生活に影響も無いよ。それにここだったらコレを気にせず笑い合える奴らも居るからね」
そう言う彼の手は僅かながらも震えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 360人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月歩 - くずをさん» はい！zmのパーカーはどうしても兄弟達と関係を持たせたかったので登場させちゃいましたw (2020年1月11日 22時) (
レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - たうさん» コメントありがとうございます！今後も進行速度は亀ですが頑張るので応援お願いします！ (2020年1月11日 22時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 近づいたら爆破って…クリーパーじゃないですかやだー！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
たう - ん？神ですか？更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月11日 18時) (レス) id: ada02683d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月歩 | 作成日時：2020年1月7日 21時
