19 溢れる思い揺れる思い�� ページ33
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Aヌナに想いを伝えると決めたものの、今更なんて言えばいいのか分からなくなってしまった。
だって好きだって言葉にしたことがあるし、ヌナは全く俺の気持ちに気付いていないから。普通に好きって言って伝わるんだろうか。
だったらユンギヒョンにまずは言った方がいいんだろうか？でもそれはAヌナに想いを告げるよりハードルが高くて怖い。
好きだっていう想いはさんざんメンバーに言ったせいか、溢れてるのに。その想いの捌け口が分からない。
そして運が悪いのか良いのか、ヌナは最近かなり忙しくて。
俺達の仕事には同行するけど、ただ俺達の衣装を着させて様子を見守るだけが仕事じゃないから。むしろそれ以外の仕事の方が多いから、バタバタしてる。
衣装の準備のためバイヤーとの交渉をしたり、最悪一から衣装を作ることもあるようで、慌ただしくしている。俺たちに衣装を着させてそのまま出かけてしまうこともあるぐらいだ。
その上ユンギヒョンに連れられ作業していたり、ユンギヒョンが作業部屋に籠ると世話を焼きに行ったり…
楽しそうに仕事をしているヌナの姿を見ているのは好きだけど、全くヌナを構えなくて不満もあったりする。
そしてその不満の矛先はやっぱりユンギヒョン。ヌナはどんなに忙しくてもヒョンの所には行くから。
想いは上手く伝えられない、でもヌナを構いたい構ってほしい、そんな想いがぐるぐるしておかしくなりそうだった。
結局、ヌナが仕事を終わるのを咎められるのを承知で待っていて。遅くに仕事を終えたヌナを捕まえることにした。
「ヌナ！」
「テヒョナ…また連絡もしないで待って」
「いひひ、いいでしょ。ご飯行こう」
ビルから出てきたヌナを呼び止めれば驚いて、そしてそんな小言を言われる。しかし俺が笑えばヌナもすぐに笑顔になって。そしていつものようにタクシーを呼び止めてくれる。
「ヌナ何食べたい？」
「そうだね…焼肉でも行く？」
「いいよ、いつものとこでいい？」
ヌナが返事をしたのを見て、運転手に行先を告げる。
珍しいなって思った。ヌナはどこに行きたいか聞いても「テヒョニの食べたいものでいいよ」って俺の意見を優先させてくれるのに。今日はヌナから提案してきた。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
