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「あ！お弁当！」
しまった。すっかり忘れてた。夢中でユンギの作業を手伝っていた。わたしも一緒になって没頭してたら意味ないじゃない。
「あーあ…冷めちゃった」
「レンジ、外にあるけど」
「温めて来いって？」
「おう」
わたしの方なんて見ないで、片手だけ上げて頼む兄が憎たらしい。でもわたしの分を温めるなら、ユンギの分があっても同じだし。そう思ってそのままお弁当を2つ抱えて部屋を出る。
電子レンジで温め直して戻れば、まだユンギは同じ体勢でパソコンに向かっていた。それを無理やり中断させて食事をさせる。
「食べたら帰ろう。日付も変わってる」
「マジか」
「うん。遅くなっちゃった…
今日こそ日付が変わる前に帰ろうと思ったのに」
「Aも俺と同じで始めたら終わらねぇだろう」
「そうだけど…
わたしがユンギのストッパーなのに…」
ユンギを止めるどころから自分も夢中になって作業してて自己嫌悪に陥る。けれどユンギは本当に呑気で。嘆いているわたしに気にせず口を開く。
「別に今日も宿舎泊まればいいだろ」
「簡単に言わないでよ」
「…最近はお前がいるからよく寝れるんだ。
いいだろ」
そんなこと言われたら断れないじゃん。わたしも何かあったりすると寝れないから、寝れない辛さはよく分かる。そして片割れが隣に居るだけで、不思議と安心して寝れることも同じだから。
わたしたち男女の双子で一卵性でもないのに、なんでこんなにお互い似ていて理解し合えるんだろうね。
「宿舎に行ったら、テヒョニとジミンちゃんの誘い断っちゃったし、申し訳ないな」
「あいつら起きるの遅いし、どうせお前は早くに起きて帰るんだろ。ばれねぇよ」
「そうだけど…」
でもテヒョニのこと思うとやっぱり申し訳ないなって思う。
明日…日付変わったから今日か。今日は絶対に仕事早く終わらせてテヒョニとご飯行こう。
そう心に決めてユンギと一緒に作業部屋を後にした。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
