15 ホソクから見た双子�� ページ18
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「なあ、この前のコード覚えてるか」
「この前？」
ヌナが俺の衣装を確認している所へユンギヒョンがやって来て唐突にそんなことを言い出した。ヌナは手を止めないでヒョンに聞き返す。
「Aに弾いてもらったやつ」
「あー…全部は覚えてないけど」
「ちょっと音出して」
「今わたし、仕事中なんだけど」
「少しぐらいいいだろ」
「無茶言わないで」
俺を挟んでそんな言い合いをする2人。俺は黙ってそんな2人を見ていた。
2人の会話から、またヌナはユンギヒョンの作業部屋に行って手伝いをしてたんだなって思う。Aヌナは立派なスタイリストだけど、流石ユンギヒョンの双子と言うべきか。音楽にも精通している。
きっと子どもの頃は一緒になって曲を作ったりしていたんだろう。結構詳しいし、楽器は弾けるしラップもできちゃう。
ヌナがヒョンのラップパート歌った時は驚いた。声質は全然違うのに、ヒョンに寄せてくるからそっくりだった。
「もう、いまホソクの衣装見てるんだから煩くしないでよ」
ヌナの言葉にユンギヒョンは「あっそう」と去って行った。
「珍しいね、ヒョンがイライラしながら作業のこと考えてるなんて」
ユンギヒョンが居なくなったからヌナにそう聞けば、苦笑していた。
「昨日、無理やり中断させて帰らせたからだと思う。本当はもうちょっとしたかったんだろうね。頭から離れないんじゃない？」
そう言うヌナは双子の妹じゃなくて、お母さんだ。思い通りにならなくて不貞腐れてる息子に「しょうがないわね」って世話を焼いてるみたい。
「ヒョンは本当にAヌナがいないと駄目だね」
「ねーあんな大きな息子を持った覚えはないんだけど」
2人して笑えば、遠くで「誰が息子だ」って怒った声が聞こえてくる。なんだヒョン聞いてたんだ。
「ヌナも一緒に作業したの？」
「作業って言うか、さっき言ってたコード通りに弾いてただけだよ。あとはご飯食べさせて、寝かしつけただけ」
「本当にお母さんだ」
「息子ならホソクみたいな子が欲しいよ」
「俺はヌナはお母さんじゃなくて、お姉ちゃんがいいけどね」
「わたしには弟がいっぱいいるからね」
ヌナは俺だけじゃなくて、ナムジュンだってジミンだってジョングクだって弟だ。テヒョンは…弟の域を越していると思うけど、そこには触れるつもりはない。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
