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「俺に可愛い子ぶったって意味ないから」
「テヒョンさっきから厳しくない？せっかく相談に乗ってあげてるのに」
「なんかムカついたから」
「酷い…」
泣きマネしたって可愛くないし。
ヌナはジミンを可愛い可愛いってよく言ってるし、それで甘えてくるジミンを受け入れてるけど。正直言って凄く嫌だ。ジミンも分かっててやってるし。俺は全部知ってるんだからね。
「とにかく！あんまりAヌナに甘えないでよ」
「別にテヒョンだけのヌナじゃないんだからいいじゃーん。ユンギヒョンに咎められるなら考えるけど、テヒョンが言う資格、今はないでしょ？」
「絶対にヌナの彼氏になってジミンを遠ざけるんだから」
「頑張って」
にやって笑って言うジミンに、ああ遠回しに奮起させられたんだって気付いた。怖がってヌナに気持ちを打ち明けないで、ぐずぐずしている俺の背中を押してくれたんだ。
ムカつくけど、やっぱりいい奴だ、ジミンは。
「あ、ヌナ〜」
「なあにジミンちゃん」
高い声でそうやってヌナを呼んで、可愛く近付いていくジミン。
「これじゃなくて、こっちのがいいな」
「そう？ジミンちゃんにはこれがいいなあって思ったんだけど。可愛くない？」
「僕、今日は格好いい方がいいなあ」
「そうやって言ってくるジミンちゃんは可愛いんだけどね」
「しょうがないなぁ」ってジミンに甘い顔するAヌナ。ジミンはジミンでヌナにべったりだ。それが俺は面白くない。
ジミンは良い奴だけど、でもAヌナに可愛い子ぶって構われるのだけはやっぱり嫌だ。
「ヌナ〜」
だから俺はAヌナに引っ付いて2人を邪魔する。そしてジミンを目でけん制する。そうすればジミンはにやって笑うだけ。ほんと、良い性格してるよね。
「もう今日もテヒョニは甘えた？テヒョニを背負って移動すると肩凝るんだよね」
「ヌナおばあちゃんみたい」
ヌナは俺を邪険にはしないけど、やっぱり自分より大きい俺に伸し掛かられるのは辛いみたい。でも触れ合ってたいしなあ。
「ヌナ、俺が引っ付いてるの嫌だ？」
「嫌じゃないけど、わたしに体重はかけないでほしいな。身長差を分かって」
「ヌナ小さいもんね」
「こら、ジミンちゃん。それは言ってはいけません」
「ごめんなさーい」
またジミンが可愛い子ぶってヌナを構う。それからずっと俺とジミンでヌナに構われたくて甘えたり、自分の方を見て欲しくて構ったりしていた。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
