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「ユンギ、寝ないの？」
Aちゃんを部屋に連れてきて、自分のベッドに寝かせたユンギ。そのまますぐにシャワーを浴びに行ったから、僕はテヒョンにだいたいのあらましを聞いた。
そしてシャワーから戻って来たユンギはそのまま自分のベッドへ行き、ずっとAちゃんの頭を撫でてる。そんなユンギに声をかければ僕の方を見ないで口を開く。
「俺のことは気にしないで先に寝てください」
「や、気になるんだけど。Aちゃんが先に寝ちゃったから寝れないの？」
「そういうわけじゃ…」
ユンギは寝付きが悪いし、熟睡できない。不眠症まではいかないけど、ちゃんとした睡眠がとれていないのは確かだ。でもそれを和らげるのがAちゃんの存在。
Aちゃんはユンギが作業部屋に籠っていたら連れ出して食事させるし、なかなか寝れないユンギを寝かしつけてくれる。
ユンギ曰く、Aちゃんが傍にいてくれれば安心して寝れるみたい。本当にこの2人は依存し合ってる。Aちゃんだってそんなユンギが気になって仕方ないし、ユンギのためと言いながら本当は自分もユンギの傍にいたいのだ。
僕はずっとユンギと合い部屋だからユンギがAちゃんを連れ込むのも、一緒に寝るのも、ずっと見てきた。全部知っている。
多分2人の異常なほどの近い関係は僕が一番間近で見てきたのだろう。他のメンバーが知らないことも知っていると思う。
そんな2人をずっと見てきたせいか、最近はあまり違和感も覚えないで2人を受け入れている自分がいる。
そしてそんな2人が僕は好きだ。異常だって思うけど、でも受け入れちゃってるし。ただ異常だって本人に向かって口にしちゃうけどね。
「Aちゃん…珍しく弱ってたんだって？」
ずっとAちゃんを構うユンギが気になってそう問いかければ、やっぱり僕には視線を向けないでユンギは答える。
「テヒョンか？」
「うん」
「詳しくは聞いてないけど、俺じゃない奴に自分の思いを曝け出したのは初めてなぐらいだ」
「ふーん…寂しいんだ。テヒョンにAちゃんが取られそうで」
「別に寂しくなんかない」
強がってそう言ってるのかと思ったけど、でもユンギの表情を見ると違うのかな。愛おしそうにAちゃんを見て、ずっと頭を撫でている。単純にAちゃんが自分以外に打ち明けられる相手ができたことを喜んでいるようだった。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
