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『……っん、あれ、寝てた…?』
?「やっと起きたんスか」
『っだれ!?』
ま「私は来島また子っス。アンタがあの朱雀Aっスか?」
『っそうですけど…あなたは一体私に何しに?』
ま「私は簡単に言えば鬼兵隊の武力っスよ、けど今ここにいるのは晋助様から晋助様が居ない間はアンタの世話をするように言われてるだけっス。」
来島また子……初耳、というわけではない。"紅い弾丸"の異名を持つ拳銃の使い手。こんなに若いとは思わなかったが。
ま「あの、一応聞くっスけど、その隊服、アンタ真選組の者なんスよね?」
『たまたま助けられて拾われて恩を返すために真選組にいただけです、私なんて全然役にもたってませんし、巷の攘夷浪士にも相手になんてされませんよ』
話を聞くや否や、また子さんは私の頭にカチャリ、と音を立てて拳銃を突きつけた。
そして、それと同時にまた私の中で何かが騒ぐ。背筋がゾッとし、全身が熱くなる。
ま「晋助様に言われてるから殺すなんてことはできやしねえスけど真選組の者となれば容赦しないっスよ」
『………っフ』
ま「ちょっとでも変な動きしてみろ、脳天ぶち抜くっスよ」
駄目、また子さんの言葉なんて一つも耳に入ってこない。苦しくて仕方がない。
息がつまる、手が震える、目頭が熱い、何か紅い欲望が渦巻く。
『……っハァ』
怖い、何かに呑まれそうな自分が怖い。
痛みつけて、私を痛みつけて止めて、
咄嗟に頭につけていた金属製の簪を外し、左腕にソレを突きつけて滑らせる
『っんんんあああ!!!!!』
ま「何やってんスかアンタ!?死にたいんスか!?」
『嫌、嫌、イヤ、いやぁぁぁ!!!』
ま「落ち着くっス!!」
痛い、けれど対照的にだんだん意識はハッキリとしている。
グラリ、途端に脱力して手の内にあった血まみれのソレを床に落としたと同時に自分のしようとしていたことに気づいた。
ま「今晋助様を呼んでくるっス、」
私が落ち着いてソレを落としたのを確認したまた子さんは慌てて部屋を出た。
________________殺そうとしていたんだ、
拳銃を突きつけた彼女を、獲物として捉え、壊そうとしたんだ、
それをギリギリの理性が止めた、この人は"殺しちゃいけない"って
『ほら、これが本当の私だよ』
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焉(プロフ) - うわぁぁぁ!凄い面白いです! (2018年10月7日 13時) (レス) id: 2fa9032b19 (このIDを非表示/違反報告)
高杉紗夜香(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 47ea433c10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スズちゃ | 作成日時:2018年1月9日 4時