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『ジミンってさ、好きな人とか居るの？』
日陰のない小道を歩きながら聞くと、ジミンは驚いたような声を上げてから笑った。
「Aちゃん、言うことが急だよ」
『だって気になったんだもん』
小学5年生から小学6年生になるのと違って、小学校を卒業して中学生になるというのは、大人に続く階段の大きな1段目になった。
私服だったものが指定された制服になって、ずっと仲良くしていた友達の中には違う学校へ通う子もいた。
今までおばさんの家までお母さんに送ってもらってたけど、中学生になったからって初めて1人でここに来た。
全てが真新しくなったことにウキウキする自分と、不安な自分。
そしてなによりも男女の距離感は小学生の頃とは全くもって異なるものだった。
『友達はさ、みんな好きな人の話するの』
誰がかっこいいとか、あの人のこと気になってるとか。
小学生の頃だって、そういう話が無いわけじゃなかった。
だけど、今はもっと恋愛の話ばっかりで。
「僕の友達もそうだよ。
あの女の子は可愛いとか、そんな話ばっか」
『男子の方もそうなんだ』
「Aちゃんも居るの？」
『え？』
「同じ学校に、好きな人」
隣を歩くジミンに視線を寄越すと、顎から滴りそうになった汗を拭っていた。
『…いないよ』
「そうなんだ」
『ジミンはどうなの？』
「秘密って言ったら怒る？」
『怒るよ、私言ったのに』
「あはは」
軽く流すような笑い声を最後に、ジミンから話を続けようとはしなかった。
もしかしたら恋愛の話が好きじゃ無いのかな、とか。
最近恋愛に苦い思い出があったのかな、とか。
色々考えたけど、それを本人に伝えることは出来なくて。
『…あーあ、ジミンにはもう勝てないのかなあ』
「え？何が？」
『んー。身長』
「あぁ、たしかに」
立ち止まったジミンに続いて足を止めると、ジミンは自分の頭上に手を当ててそのまま私の頭の上を空切った。
「もうちっちゃいなんて言えないね」
ジミンは笑う。
ジミンはきっと気づいてない。きっと、気づかないんじゃ無いかって思ってる。
私は確かに同じ学校に好きな人は居ない。
…同じ学校には。
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リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💕 (11月9日 0時) (
レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：130号室
| 作成日時：2022年10月1日 0時
