居候ジョングク。3

122。 ページ22

.

.

.





拝啓 ジョングク様


お元気ですか。私は元気です。なんだかんだ元気にやっています。早いもので、あなたがアメリカに行ってから2週間が過ぎました。

お母さんは相変わらずジョングクのことを嘆いてばかりで、料理が手抜きのものばかりです。お母さんのためにもなるべく早く帰ってきてほしいなぁ、なんて。

テヒョンくんは相変わらず優しいです。私がジョングクと付き合うことになったと知った時、喜んでくれました。あんなに心の澄んだ可愛い笑顔の天使を私はほかに知りません。あなたにも少しあの天使要素を分けてあげたいくらいです。

テヒョンくんと別れたことは一瞬で学校に広まり、付き合っていたのは私の妄想だった、ということで静かにおさまりかけています。ちょっと、いや、かなり不服だけど、これでまた元の静かな生活に戻れるならいいやって気持ちです。

あ、テヒョンくんにジョングクに泣かされたらいつでも俺のところ来ていいよって言ってくれたから気をつけてくださいね。

ジミンくんとは仲良くなった…のかな。会うたびにAちゃんの来世は微生物だよって真顔で言われます。正直怖いです。本当にそうなりそうで。

こんな感じでジョングクがこっちにいた頃と何ら変わりない生活を送っているけど、やっぱり寂しいです。となりの部屋にジョングクがいないのは。

短い居候だったけど、それでも確実に私の毎日を変えてくれて、なんだかんだ楽しかったから。今ではあの生活が懐かしくて懐かしくて…

やっぱりいつ戻ってくるのかわからないジョングクを待っているのは辛いかな。簡単に会いに行ける距離じゃないから。


JK『ただいまー』


…やだな、私ったら。ジョングクのこと想いすぎて幻聴が聞こえるようになったみたい。今度耳鼻科に行ってきます。ちゃんと返事ちょ


JK『Aさん部屋にいる？』

『あら、おかえり〜！！！もうずっと待ってたのよ〜！2週間会えなくて寂しかったわ〜、Aは部屋にいると思うけど…Aー！ジョングクくん帰ってきたわよー！』


帰ってきたわよーって声が聞こえるけど、全部幻聴ですよね。だって、あんた、あんな感動的な別れで、だって、私、空港まで走ったし、それで、それから、えっと、


JK『ただいまって言ってんだけど。』

「ぎゃーーーーー！！！！！！！！！」

JK『はぁ？久しぶりに会って第一声がそれなの？』


現実世界で起きていることをこんなにも理解できなかったのは初めてです。

123。→←121。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す