マスター

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『PASSIONA脱退へ』




そんな見出しでニュースや記事が出始めたのは、次の日のことだった。



記事には、振付師の男と恋仲になり事務所か恋人どちらをとるか選択を迫られて結局男を取ったみたいな内容が書かれていた。



PASSIONは4人編成で活動を続けるみたいだけど、歌上手い子はいないからかなり致命的だろうね。ま、どうでもいいけど。










「A。」


「…。」


「おはよう。」


「…おはよう。」




昨日は酷かったけど、今はだいぶ落ち着いた。


ちなみにAは僕の家に今いる。





2日間泣き続けたから目はパンパンに腫れてるけど、そんな顔も可愛い。


…幸せだな。






だってこれからはずっと一緒だもんね。






「朝ごはん作ったよ、食べよう？」


「…うん。」


「こっちおいで。」




まさかAが僕の手料理を食べるときが来るなんてなぁ…。


毎朝スムージーを飲んでるって言ってたから、初めて作ってみたよ。





「…今更なんだけどお部屋広いね…。」


「へへっ、そうかな？」


「こんな広くて高いお家初めて見た…。」


「…遠慮しないでね。もうここはAのお家でもあるんだから。」





広いダイニングテーブルだけど2人くっついて隣に座る。




「いただきます。」


「どうぞ。」



ご飯を食べるAは近くで見たことがないから新鮮でじーっと見つめる。



横顔が可愛すぎて携帯で写真を撮ったら、Aはバッとこっちを見る。





「…今の消して。」


「えー、なんで？」


「お化粧してないし、目も腫れてブスだから。」




ブスなわけないじゃん。


いつだって可愛いよ。






「Aは誰よりも世界一可愛い。」



「…っ。」



「だけどそれは、オッパだけが知ってればいい。」





Aの唇にキスをする。





「…愛してるよ、僕だけのA。」








Aから箸を取って机に置いて、後頭部を引き寄せてキスをした。



あの男の分を上書きするように深く重ねれば、Aも僕についてくる。














しばらくして唇を離す。だけどAは僕の服をギュッと掴んだまま離さない。






「…オッパは、私のこと裏切らないよね…？」



「当たり前。Aを一生かけて愛すよ。」






色んな人に裏切られて精神が弱くなってるA。


僕のその言葉を聞くと、笑顔で僕に抱きついた。

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