マスター

12. ページ13

「…いい？


私がまずあのキスの写真をパパラッチにリークするから、オッパはAを慰めるの。


多分Aはネットも炎上して叩かれるだろうから、かなり精神的に参るとおもう。


そこでオッパがAに近づく。」



「どうやって？サイン会やイベントじゃスタッフの目が…」


「違うよ。


プライベートでに決まってるでしょ。」





プライベートでなんかどうやって近づくんだよ。



宿舎の場所や実家なら勿論知ってるし、なんなら電話番号だってカトクのIDだって全部知ってるけど…









「A、仕事で失敗したり嫌なことがあるといつも行くところがあるの。


多分今回の作戦がうまく行けばAは必ずそこに行く。



だからオッパは偶然を装ってAに近づく。」



「…どこなの、そこ。」


「漢江の公園。写真は後でカトクで送る。」



「…なるほど…ね。」





まだまだ知らないことが僕には沢山あった。


Aは辛いと漢江の公園に行くんだ…。





Aが一人で泣いている姿を想像する。



あぁ、可愛い…。








「…その作戦、乗るよ。」


「わぁっ、本当に！？」


「だけどちゃんと成功するんだろうな？」


「…ふふっ、オッパ。


私をなめない方がいいよ。もうこの作戦はずっと前から始まってるんだから。」






ニヤリと笑ったジへは今までで一番ゲスい顔をしていた。



こいつと関わるようになってから、こいつはかなり性格のネジ曲がった女ってことがわかった。



それにこいつ、Aと仲良いみたいだけど、Aのこと嫌いみたいだし。









もしかしたら僕は最初からこいつに使われてたのかなぁなんて。


まぁAが僕のものになるのならどうでもいい話なんだけどね。






























『PASSIONA、練習室で振付師と秘密恋愛か。』




そんな見出しとともにAのキス写真は世間にリークされた。



ネット上でも瞬く間に拡散され、案の定Aに対する非難が殺到した。




今までの掌を返すように皆Aの悪口を言う。









「…


ふふっ、これからだね、A。」






僕が君の王子様になってあげるからね。

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