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「おっけ!おっけー!一発目なのにイイ感じじゃん!」


ユーキが「すごーい!」と拍手しながら言う。



それにカイ、リョウガくん、ユースケが続く。



「なんか…タカシ、大人になったんだなあ」

「すげえいやらしい…いや、色気が…あった、よな」

「すごい見入っちゃった」




当の本人は呼吸を謎に我慢していたらしく

顔が今までで見たことないくらい真っ赤だった。


肩で息をしながら二人で起き上がる。



「なんで止めてたの〜?苦しいでしょ?」

「いや、近くで息されるのってなんか嫌ちゃうかなって」



どこに気を遣ってるんだ?!

パフォーマンスもあるわけだし、気にしなくていいことを伝えた。



「コーイチ〜!泣くなって〜!」



そしてたくちゃんの大声が聞こえる。

…もう、また始まった〜



呆れながら視線を送れば

彼が頬を膨らませていた。



「めっちゃええやんけ〜嫉妬〜」



私にとっては笑えない案件だが

彼はおかしそうに笑う。


本当に笑ってる?


眉間にしわを寄せてみるけど彼には無効。




「自分じゃないからって嫉妬しないでください、コーイチくん」

「ふぃ〜」




適当な返事をして

私から目を逸らす。


なんだかそのほうがしっくりきてしまって。

彼の本音を垣間見た。


そのまま彼を見ていると。




「A」

「…っえ?」



名前を呼ばれ

振り向いた先に

ふわり。

タカシの腕が伸びて、私の髪の毛に優しく触れた。



「ふわふわしたの、ついてたで」

「あ、りがとう」



そしてどうして

この子は、




 




「それじゃあ次の曲行こうか」




「じゃあ一旦ベッドは片付けような〜」

「あいさ〜」



頭の中で整理するよりも

考えないほうが、身のためかもしれない。





 




「つかれた…」



今日の分のリハが終わり、壁に寄りかかって息を吐く。

久々に動き続けた…。

ふと首元を触れば、

少し素肌がべとつく。




それぞれが帰る準備をする中

昨日のドラマメンバーからの連絡に反応していく。


あの彼も当たり前のように連絡してきて

図太い男だ、と思った。


ん〜、なんて返してやろうか。

などと考えながらスマホとにらめっこ。




気が付くと、室内の照明がチカチカと点滅した。

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作者名: | 作成日時:2017年11月6日 17時

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