20 再会 ページ20
「鬼道。
自分の愚かさを悔い、再び私の足元に跪いた仲間を
紹介しよう！！」
影山さんのその声を聞き、
彼らが来たのだと理解した。
遂にこの時がやって来た。雷門中との試合の日が。
どんな辛い光景を見ても、耐えねばならない。
見守ると、傍観すると決めたのだから。
私は正面に見えるコートに向かって歩みを進めた。
「！！」
佐久間くんたちを見て驚いた様子の鬼道くん。
私とも目が合った。
「源田に、佐久間・・・・！
それに・・・・A！？お前まで！？」
円堂くんの声を合図に
二人は高台から飛び降りた。
私は彼らより３歩ほど下がったところでバインダーを握り締めながら立っていた。
「久し振りだな、鬼道」
佐久間くんがそう声を掛けると、源田くんもニヤリと笑う。
その様子を見ていた不動くんが手を叩く。
「感動の再会ってヤツだねェ。」
彼がそういうと、影山さんは円堂くんたちに背を向け、こう言った。
「では、元チームメイト同士、仲良く話したまえ。また後で会おう。
Aお前はどうする。」
影山さんは私に
ここに居るか、それとも自分について来るかの二択を迫った。
私は少し考えてから「私は彼らと居ます。」と言った。
影山さんは歩みを止める事なく私のその返答を聞くと「そうか」と短く答え、そのまま去った。
「なぜだ・・・・なぜだ！！！！！
なぜお前たちがアイツに従う！？」
鬼道くんはやはり戸惑いの中にあるようだ。
「強さだよ。」その源田くんの答えに円堂くんが声を張る
「強さ！？強さだけを求めた結果が、あの影山のチームじゃなかったのかよ！？」
「俺たちはそこから新たな一歩を踏み出したはずだろう！」
円堂くんと鬼道くんが二人に間違いに気づいて貰おうと必死になっている。
「(その声掛けでは、彼らの傷は癒えないんだよ・・・。)」
私はもやもやと気持ちが渦巻いて行った。
しかしだからと言って私から出せる言葉は何も無い。
「俺たちを捨てて雷門に行ったお前に何が分かる。」
佐久間くんのその言葉は私の心にも刺さった。
彼は辛かったのだ。
悔しかったのだ。
悲しかったのだ。
そして、鬼道くん、彼はあなたが羨ましかったのだ。
彼はその気持ちをまっすぐに表現できないでいるだけなんだ。
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あずきちょこ(プロフ) - ルルさん» ご指摘有難うございます！ご感想にも感謝です！有難う御座います。 (2020年7月4日 21時) (
レス) id: 1615f8fdf9 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 凄い面白いです！後、鳶高と書いてありましたが、飛鷹だったかと… (2020年7月3日 18時) (レス) id: 221a90b765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あずきちょこ。 | 作成日時：2020年6月24日 3時
