19 禁術 ページ19
あれから彼らは真・帝国学園のメンバーとの練習を始め、私はそのチームのメニューだけでなく
帝国に残っているメンバーの為のメニューも作りメールで送っていた。
そして佐久間くん達は遂に禁術の練習をするようになった。
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ある日コートに残って風に吹かれていると、佐久間くんがやってきた。
「A。」
あれから彼は私のことを名前で呼ぶようになった。
「・・・私、
選手のためになら頑張れるし、みんなが能力を向上させるために頑張るなら何も止めるつもりはないよ。」
丁度彼に言いたいことを考えていた時だった。
言うならもう今しかないと思った。
「ああ。」
私が一人で勝手に話し出したが、彼は話を聞く態勢になってくれた。
「だけど私はトレーナーとして、そして何より友人として、
佐久間くんに聴かなければいけないことがあるの。
それはあの禁術を使うことで、今後の選手生命を短くしても良いのか、ということだよ。
佐久間くんがやっている事は今のこの中学生っていう人生の中でも
一瞬の・一時の気持ちのためだけに今後の人生を全てかけているのと同義だ。」
「ああ。」
佐久間くんは返事以外何も言わない。
ただただコートを見つめながら話す私を見つめて聞いてくれている。
「それでも今後後悔しないんだよね。
ちゃんと分かってやってるんだよね・・・・・・。
意地だけではない、私にはわからない何かによって動いて。
決断したって捉えて良いんだよね？！」
ぱっと彼のほうを振り向くと、彼は優しく、そして悲しそうな顔をしていた。
「ああ、構わない。」
彼のそんな表情と多くを語らない様子に切なくなり、胸が痛んだ。
表情を悟られまいと俯いてしまいながらも、私は続けた。
「私、不安なの。後悔して欲しくないの。
でもきっとこの気持ちは自分自身のためなんだ。
佐久間くんが後悔したら、絶対に私も後悔するから。
もっと全力で止めればよかったのにってさ。だから・・・」
佐久間くんは私が言い終わる前に「ああ、分かっている。」と答えると私の頭に優しく手を置きこう言った。
「A、お前は俺についてきてくれたら良いんだ。」 と。
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あずきちょこ(プロフ) - ルルさん» ご指摘有難うございます！ご感想にも感謝です！有難う御座います。 (2020年7月4日 21時) (
レス) id: 1615f8fdf9 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 凄い面白いです！後、鳶高と書いてありましたが、飛鷹だったかと… (2020年7月3日 18時) (レス) id: 221a90b765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あずきちょこ。 | 作成日時：2020年6月24日 3時
