◇狐、１５１ ページ1
、
圧倒的な強さ。
それが彼女を称するに相応しい言葉だと、優一は直感的に思った。
「がっ、は･･･」
今だって彼女は･･･、蓮は、優一の攻撃をヒラリとかわしたかと思えば、代わりに強烈な膝蹴りを横腹に入れた。
その動きだって無駄がなく、尚且つ素早い。
痛めた横腹を押さえながら、悠然と佇む少女を見て優一は感心していた。
敵を称賛する、とは頭領として誉められたことではないが、それほどに蓮の動きは素晴らしかったのだ。
もう十分に大人の男と呼べる優一と渡り合う、その力。
急所への迷い無い剣さばきや、太刀筋。
何より、挙げるべきなのは、彼女のスピードだった。
およそ人では、特に女性では生み出せない速さで移動し、優一を翻弄しながらも切りつける。
おかげで、優一の体はボロボロだ。
「れ、ん･･･！！」
先程一言二言話してから蓮は再びだんまりを決め混んで、一向に口を開くことはない。
名を呼べど、優一をその瞳に写そうとさえしないのだ。
この後に及んで未だに恋慕を棄てきれぬ優一が悪いのか、何も告げずに彼の前に現れた蓮が悪いのか。
苦しさと痛みに耐えながら、優一は再度刀を蓮に向けた。
、
一方的な斬り合い。
それが自分と沖田の闘いを称するに相応しい言葉だと、京介は瞬間的に悟った。
「く、ぅっ･･･」
「式神と合わせてこの程度か、剣城」
今だって彼は、死角から出てきた牙狼の攻撃をヒラリとかわし、そのまま流れるように剣城を刀の鞘で打つ。
その動きは一つ１つ的確で、大きく動いているにも関わらず、無駄がない。
打たれた背を牙狼に案じられながら、京介はキッと沖田を睨みつけた。
そんな様子を見ながら沖田は首をかしげ、言った。
「手数では勝るお前が、式神と共に俺と対峙するお前が、何故俺に傷一つ付けられないのか･･･。わかるか？」
その言い方があまりにも柔らかいもので、思わず拍子抜けしてしまう。
しかし、物腰柔らかな態度・言葉に京介自身は少し警戒しながらも小さく首を振った。
「そうか･･･。お前自身は気が付いていないのか」
「･･･何をですか」
何か馬鹿にされたように感じ、ムッとしながら言葉を返すと、沖田はすんなりと応えた。
「式神との相性だよ」
京介の隣で構えていた牙狼が、目を見開いた気がした。
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京夜(プロフ) - アルテナさん» ありがとうございます！！ コメント、とっても嬉しいです！！ これから更新スピード上げられるように頑張りますッ！ (2015年1月4日 22時) (
レス) id: c45efebd4a (このIDを非表示/違反報告)
アルテナ - とても面白いです！！！続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2015年1月4日 20時) (レス) id: ab1d996a39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京夜 | 作成日時：2015年1月1日 12時
