偉人の子孫、封印しました。【小説化】

第二十八話　【ごめんなさい】　《安倍狐嫁》 ページ28

札を拾い上げると禍々しい光と、邪悪なオーラを感じた。

後で成仏させてあげないと。

平さんを見ると、ぺたりと座り込んだ。

まるで、緊張の糸が切れたように。

「主…っ封印してくれ」

顔を歪ませたままの九尾を封印すると、平さんに近づいた。

「お疲れさまです。大丈夫ですか?」

「はい…。た、助かったんですか…っ?」

「はい。平さんのお陰です。有り難う御座います」

平さんが無事で安心したのを感じた反面、これから行う行為の申し訳ない感じが襲った。

だけど、彼はここに居てはいけないから。

保護を、封印をしてあげないといけない。

今更罪悪感なんて無いのだ。

「話は変わりまして…、どうでしたか最後の演奏は」

「あぁ…。…どんな音色でしたか?」

少しだけ過去の出来事を思い出しました。なんて言えず…。

「とても…綺麗な音色でしたよ」

そういって弱々しく笑うことしか出来なかった。

自分の意見を言えないのは、私が弱虫であると言うこと＿。

「さてと…封印しますか」

「ふっ封印!?何ですか!?」

「詳しいことは後で話します、と言いました!!」

少しだけ、と溜め息をつく。

「時間をあげます。貴方が居てはいけない世の中でも、魂と化した貴方でも思いではあるはずです」

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