雨の日は恋日和。【オリジナル】 (ページ6)

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雨のかえりみち。ページ6

昼食後の眠たい授業を終えて、今から家に帰るところ。

昼休みごろから降り出した雨はよりいっそう強くなっていた。
あったかい飲み物がほしい気分だ。

「レモンティーでも買って帰ろっかな。」

そう呟いて、今日はコンビニに寄り道をすることを決めた。

六月の雨は少し肌寒く彼女の肩を震わせた。

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景気のいい音とともにコンビニに寄る。
ずっと暑い日が続いていたのが嘘のように思うくらい今日は寒い。

品切れの続いていたアイスも今日は仲良く並んでいる。反対にお目当ての暖かい飲み物は久しぶりに穴を見た。

「レモンティーは……、よかった。まだあった！」

その暖かさを感じながらついつい目がお菓子に行ってしまう。

残り少ないお小遣いを確かめてお菓子コーナーへ行くと急に視界が暗くなった。

「へっ。え、ちょっと、誰ですか？」

急に目隠しをされてしまってはこっちは動揺するほかない。

「ちょ、水無月やば。反応面白すぎだろ。」

「えっ。雨宮？」

驚かしてきたのは雨宮だった。

「えっ、何でおるん？部活は？補習は？」

「雨でグランド使えなくなったから部活は中止。補習はまってぃーにプリント貰った。」

そっか。サッカー部だからグランドが使えないと部活は中止になっちゃうのか。

「なるほど。でも、雨宮じゃプリント貰ったって分かんないでしょ。」

「ひどっ。ま、そうだけどさ。問題はそれ。」

認めちゃったよ。この人。

まってぃー、忘れたのかな？雨宮に数をこなさせても無駄だと言うことを。

「だ、か、ら、ね？おおっと、ここに偶然にも学年1位の水無月あやめがっ！！」

「えっ。」

駄目だ。これは危険な流れだ…。

「教えてくれんかな？数学。俺んちこっから近いし、まぁ水無月んちも変わんないか。」

「つまり、私に雨宮んちで数学を教えて欲しいということ？」

「うん！」

どうしよう。これ、嬉しいけど、めっちゃ嬉しいのだけど。

「めんどくさい。」

「そう言わずにさ。ね？」

「だって雨宮に勉強教えるなんて、ハムスターに言葉を覚えさせる方が早いと思う。」

「お、おう。けど、こんなの水無月にしか頼めないからさっ！お願い！」

水無月にしかっていう言葉に揺らいで、結局勉強を教えることになってしまった。

まって、好きな人の部屋に好きな人と2人きりとか死んじゃうよ。