序章 ページ1
私の感覚ではほんの三日前だろうか。
とある富豪からの依頼により、私たち探偵社は横浜の港沿いにある廃工場に向かった。
其処には富豪の財産を盗んだ泥棒がいるはずだったのだけれど、其れは違った。
富豪は私たちを殺す
工場にいたのは富豪の有り余る金で雇った殺し屋。
咄嗟に判断できず、私たちはこっぴどく銃で撃たれ、殴られ、蹴られ___
次々と探偵社員は倒れていった。
富豪の狙いは、私たちを工場へ誘い出し其処で殺すこと。
切っ掛けは、私たちの失敗してしまった任務の内に自分の娘が関わっていて、娘は死んでしまったからだとか。
最後に残ったのは、私と敦くん、そして鏡花ちゃん。
他はもう息絶えてしまっただろう。血生臭い毎日を送っていた、ポートマフィア時代を思い出す。
いくら戦えるといえども深い傷を負っている。普通の人なら致命傷であるはずの傷。
殺し屋を頑張って全員倒した時には、もう生きる気力なんてなかった。
過呼吸になって、頭が痛くて、視界が紅くなって、体が軋んで動かなくて、鼻を血の匂いが劈いて。
でももう死ぬんだってわかると、そんな痛みも愛おしい。
敦くんと鏡花ちゃんが静かになっても、ぴくりとも動かなくても、私は昔の話をした。
織田作と安吾と酒を飲んだこと、中也と喧嘩したこと、楽しかった探偵社のこと。
今日不都合でいなかった乱歩さんと与謝野女医、そして社長が生き残ってくれて本当に佳かった。
そんなことを云った。からから笑った。
_______目を、閉じた。
「ようやく、会えるね。織田作………………」
____私が次に目覚めたのは、がやがやと五月蝿い街の中の、とある建物だった。
白い天井が見えて、思わず勢いよく起き上がる。
ここは何処だろう？そう思って窓の外を見た。
___見えたのは、黒い着物を着た男女が街を歩いている様。腰には日本刀を携えている。
あれ、私タイムスリップしちゃった？時をかけちゃった？
柄にもなくテンパっている。
ねェ誰か、この状況を説明してよ。
、
続く
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大阪 - 文スト&BLEACHだ！！ (2019年7月25日 9時) (
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作者名：ててて | 作成日時：2019年7月22日 16時
