彼女の生きる世界 2 ページ31
そんなことを考えながらぼんやりと食器棚のほうへ行くと賢治くんがいた。賢治くんがいるということは、彼は今お腹はすいていないのでこの場所を任されたのだろう。声をかけるとおはようございます、と可愛らしい笑顔で出迎えてくれた。その手には割れた私専用のマグカップを持っている。襲撃で割れたらしい。おのれ、ポートマフィアめ……。
「また買ってこなきゃなあ……」
「あはは、都会はすごいですからね。よろしければ今度、お供しますよ」
「ほんと?ありがとう賢治くん。」
「いえいえ。あ、そういえば太宰さんから聞きましたよ、Aさん。与謝野先生から特別サービス受けたんですよね?どうだったんですか?」
「聞かないで……」
またもや聞かれた。最後にみた光景がフラッシュバックする。自然と体が震えてきた。
賢治くんは不思議そうな顔をしている。
「たっだいま〜!」
「ただいまー」
「ただいま戻りました……!」
ちょうどそのとき、乱歩さんと太宰さんと敦くんの声が聞こえた。見当たらないと思ったらどこかにいってたようだ。乱歩さんがお菓子をとりに行くのを見送り、 少し気まずかったが、二人の前へ姿を見せ、手をふる。すると敦くんがこれでもかというほど目を見開いた。
「おはようございます、二人とも」
「なっ……えっ…Aちゃん…!?無事だったの!?」
「うん。全然大丈夫!」
ほらこの通り!と笑いながら自分の腕をまくってみせる。敦くんは私の行動に驚き、袖を戻すように言う。顔が赤くなっている。何か照れるようなことをしただろうか。
太宰さんはそんな私たちを見て微笑んでいる。ふと先日の出来事を思い出した。
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塩わさび - きつね?さん» コメントありがとうございます!その上、私なんぞに勿体ないお褒めの言葉まで添えていただけるなんて嬉しいです…! (2018年3月29日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
きつね? - 敦くん可愛すぎます!神ですね!!!最高!!! (2018年3月29日 20時) (レス) id: 80a3d77369 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すみません今気がついたので外しました (2018年3月27日 19時) (レス) id: a1a66c3c7b (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月27日 18時) (レス) id: 7f197fb369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年3月27日 17時