世界終末リスタート!【br】 ページ6
A.side
[…本国は…ザザッ…海面上昇により…ジーッッ…土地不足が発生しており…」
ノイズ混じりのラジオを彼はその細くしなやかな指でぱちり、と消した。
そういえば彼はピアノをやっていたんだっけ。
男性にしては少し細すぎる指は不健康そうにも見える。
br「明日にはラジオも終わるかな」
穏やかな声が広々とした冷たいステーションに広がっていく。
私達二人しかいない空間は酷く寂しく感じる。
半年前、温暖化による海面上昇で私達の祖国は海へと沈んだ。
恐らくこれから他の国も海底都市だと姿を変えるだろう。
私達は宇宙を漂っている。
窓の外には半年前に見た世界地図よりも青い面が多くなった惑星。
どうせいつかは新しい文明を築き上げてまたあの生活が戻ってくるのだ。
それまで私達はここで呼吸をして、あの惑星が真っ青になるのを見届けるだけ。
「それまで一緒にいようね」
br「…勿論だよ」
此方を振り帰って微笑むBroooockは蛍光灯の灯りで青白く見える。
真っ赤なブーツが音を立てて近づいてくる。
br「この世界が終っても、また始まっても一緒にいるよ」
私の頬をなぞり、鼻先がぶつかりそうなほどに顔が近くなる。
身長差がある為私が上目づかいで上を向くと、彼はそれが気に入ったらしい。
ちゅ、とキスを落とされた。
「んっ…」
br「明日はあそこの山に行かない?凄く景色が綺麗なんだって」
空がピンクとオレンジで埋まって幻想的なんだって。
まだ沈んでいない地域にある山岳のことだろう。
海面が上昇して自然の摂理が崩壊したのか最近は変な空の色を見かける。
…それがいいとも悪いとも思わないけれど。
「…行く」
br「じゃあもう今日は寝よ〜?」
ふわふわとした声色は私の脳を溶かすのにぴったりだ。
何だか思考を放棄させてくれるような効果がある。
力が抜けて、瞼が重くなってくる。
br「疲れたぁ〜?…おやすみ」
ベッドにそっと寝かされて意識がぷつり、と消える。
寝る直前に見た彼の顔は愛おしい猫を見るような瞳を細めていた気がする。
br「…ずっと一緒だからね」
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ビー玉(プロフ) - Twitterフォロー失礼します！ (8月16日 1時) (
レス) @page32 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
シス(プロフ) - momijisandazoさん» 申し訳ありません…！今リンクを貼り直しました、ご確認して頂けると助かります！ (2022年3月21日 20時) (レス) id: 3c4da15d1e (このIDを非表示/違反報告)
momijisandazo(プロフ) - ツイフィの方が削除されていたのですがこの場合はどうすれば良いでしょうか？ (2022年3月21日 20時) (レス) @page24 id: def6b7fbc2 (このIDを非表示/違反報告)
シス(プロフ) - とまとさん» ツイフィ閲覧お願い致します (2022年2月2日 21時) (レス) id: 3c4da15d1e (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - Twitterフォローさせていただきますｯ(( (2022年2月1日 23時) (レス) @page10 id: 9799237945 (このIDを非表示/違反報告)
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