澄み渡る空は 2

s side ページ46

みるみるうちに、包帯が血で赤く染まっていった。


t｢ミツ、ガヤ、そろそろじゃない？｣
ki｢...あぁ、そうだな。行くか｣
ミツの掛け声に、
みんなぞろぞろと、楽屋を出ていった。

俺の前に誰かが、立ち止まった。
すぐに、二力だとわかった。
s｢...ﾊｧﾊｧ...にかっ、...ごめんね、...俺のせいで
...二力まで｣
フルフルと二力が首を横に振る。

f｢二力〜早く〜｣

s｢...二力、俺は、大丈夫だからっ、...先行ってて...｣2｢...っ、ごめんっ、｣
そう言って、二力は楽屋を出ていった。

右肩は、何もしなくても、ズキズキする...
大丈夫かなぁ、こんなんで、付いてけるかなぁ。
早く行かなきゃ。また、怒られちゃう

俺もすぐ、リハ室へと向かった。



t｢おそ〜い｣
s｢ごめんなさいっ、｣
小林｢まぁ、揃ったしやろっか。｣
ki｢お願いします！｣
3曲ほど、振り入れをする。
必死に、付いていったんだけど、


小林｢...んー揃わないねぇ、もうちょっと頑張ってよ、千賀くん。｣

小林｢千賀くん、そこじゃなくて、もっとこっちだよ。｣


また、俺が注意されてばっかり...
頭もズキズキしてきちゃって、なかなか応えられない。



小林｢...よし、もっかいやろっか｣
曲が流されて、踊り始めた。


俺が、ミツとぶつかっちゃって、よろけちゃって倒れた。
右足を捻っちゃったみたい。ズキズキして、立てなかった。


ki｢やる気ないなら帰っていいよ。迷惑なんだよ。｣

小林｢今日はこのくらいにしとこうか。
横尾くんが、来た時にまた、合わせよう。｣
ki｢はい、すみません、全然出来なくて、｣
小林｢いやいや、謝ることないよ。
じゃぁ、またね。｣
小林さんはリハ室を出ていった。


f｢大丈夫？北山、怪我してない？｣
ki｢...あぁ、大丈夫。｣
ミツには本当に申し訳ない。
いつも100%以上で仕事に取り組む人だから、
そんな事すら出来ない俺にきっと苛立ってるんだ

ki｢...なぁ、いつまでそこにしゃがみこんでんの？｣

s｢ごめっなさ、...｣
すぐに立ち上がろうとしたんだけど、
右足に激痛が走って立てなかった。

s｢.....んあっ、！｣
がやさんが、俺の右足を踏んずけた。

f｢ねぇ、どういうつもり？
ミツにまで怪我させようとしたわけ？｣
ぐりぐり〜ってしてくる。
s｢...ｱﾞｱﾞっ、...｣

がやさんに胸ぐらを掴まれて、無理やり立たされた。f｢北山、殴っていいよ｣
ﾊﾞｧﾝｯ
s｢...うっ、...ゲホッゴホッ...｣







どのくらい殴られただろうか
俺は、意識を失った

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