_-勘違い-_ ページ2
「何故我輩から逃れようとする？」
自分の背後に立っている影の主は声を霞め苦しそうに呟いた
先生からの受け止めきれない呟かれる愛にはたまに恥ずかしくなる事もあって目も合わせられなくなった時さえ、我輩の目を見ろと指摘され恥じらいで思わず部屋を駆け抜けそうになる事がある｡
それが先生からすると嫌われたのだと勘違いされたり､それが今に至る事は望んでいるものではなかった
「…我輩では駄目なのか？」
目を逸らしたのは決して嫌だからではない。そんな些細なことまでも気にしてしまう先生はどれだけ鋭いんだろうと困るときもある
一寸した勘違いによって､産み出されたその声には孤独さと。哀しみと。失望感が見事に混ざり合い、返答に困ると言わんばかりに顔を一度俯かせた
『違う…駄目なんかじゃないから…』
恥ずかしさで部屋から飛び抜けようとして両手で押さえていた扉の温度は今となって感じるとただただ冷たく、勘違いされてしまった時には逃れる気さえとっくに削がれてしまっていた
カツンと鋭い靴音を立てて､一歩一歩と近づいてくるその人物は固い表情を作りながらこちらに冷たい視線を送り付けていた。
そう言う意味で自分の行動を捕らわれてしまったのだと思うと気を付けねばならないと常々思う。
なかなか戻せなかった視線を合わせようと勇気を振り絞って触れていた扉の反対方向を向くと
真っ黒のローブを羽織った､哀し気な表現をした先生の姿があった
「…信用ならないですな。…ならもう一度､我輩から一生逃れぬよう捕まえておくのが一番手っ取り早いだろう」
スネイプ教授はAが振り向いた背後を狙って､腕ごと収まるようにと緩く抱き締めると、口許をAの耳許までに寄せて自分の意思を再確認する様小さく囁いた
「お前を…Aを愛する者は、我輩だけで良い。」
次第に緩めていた腕の力は徐々に強いものへと変化していき、我に帰れば身動きが取れない程の強さになっていた
気付けばいつの間にか毒されていて
気付けばその甘ったるい言葉の上で眠らされていて
気付けば先生から逃れられない体になっていた
可笑しいと思った時は既に手遅れらしく、与えられないと簡単に砕け散ってしまう脆い心に変化していた
態々捕まえなくとも逃れやしない､態とらしく笑みを浮かべながら呟く
「Aは我輩だけのモノだ」
- 求めるのは同じもの -
「そうだろう？」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
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サファイヤ - 読んでてキュンキュンしました!これからも応援してます!!がんばってくださいね!！ (2018年12月30日 22時) (
レス) id: 75055d99b4 (このIDを非表示/違反報告)
cristal(プロフ) - 夜桜アリス ダリア（ボカロ好き!!）さん» 現在、執筆中のシチュエーションを一度完結させてからになりますが…それでも良ければ。 (2018年1月29日 16時) (レス) id: 1105de64f2 (このIDを非表示/違反報告)
cristal(プロフ) - コメント有難うございます。全然OKですよ (2018年1月28日 22時) (レス) id: 1105de64f2 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜アリス ダリア（ボカロ好き!!） - シチュエーションっていうか、リクエストってOKですか？ (2018年1月28日 19時) (レス) id: 6d3622490b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cristal | 作成日時：2017年12月27日 3時
