初めまして、花嫁さん【赤葦京治】 (ページ31)

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京治の家に着けば、前に来たときとは違う緊張感があった。

でもそれも、時間が経てば和らいでくるもので、
今は途中で買ってきたパンを頬張っていたところ。

｢ねぇねぇ京治｣

｢なになにA｣

｢このこと、愛花に報告してもいい？｣

数秒の間のあとに、京治はこくりと頷いた。

どうやら愛花が誰だかすぐに浮かばなかったらしい。
愛花は私の唯一無二の親友ですよ！！と言うと、謝る気のなさそうな謝罪が返ってきた。

｢じゃあ俺も、高校のときの先輩たちに報告していい？｣

｢もちろん！｣

京治の高校時代の先輩というと、すぐに浮かんでくるのはあのミミズク頭。

名前はよく覚えていないけれど、その人が一番仲が良かった記憶がある。
あの頃はそのミミズク先輩によく嫉妬してたっけ……。

｢結婚するのはいいけど、このあとってどうなるの？学校とかもあるし……｣

｢うーん、とりあえず国試合格が第一だし、諸々はそのあとがいいんじゃない？｣

｢そうだね！｣

諸々、その言葉には……。
そう考えるだけでにやけてくる。

京治の制服姿は何度も追いかけてきたけれど、タキシードは別格だろうなぁ。
和服でも悪くないし、なんなら色々着せたいくらい。

でもファッションショーみたいになったら、
来てくれる女の子たちがみんな京治を好きになってしまう…！？

それは危ないからやめよう、と首を横に振る。

どうやらにやけた顔のままだったようで
京治が口をぽかんとあけていた。

｢何にやけてるのさ？｣

｢京治のタキシード姿を想像してたの！｣

｢いや、国試受かってからでしょ……気早すぎる｣

2月なんてあっという間でしょ、と口を尖らせれば
京治はそうだね、と満更でもない顔をした。かわいい。

元はと言えば美容師になりたくて今の学校に入ったわけで
それを果たせなかったら、なんのための2年間だったか分からなくなってしまう。

｢ちゃんと受かるか不安になってきた……｣

｢Aなら大丈夫でしょ｣

京治はどうなのさ、と聞き返せば
俺の心配はいいからと一蹴。

そういえば、学年で囁かれていた噂の
“ものすごい才能の持ち主で、上手い”と噂の人が京治だったんだっけ。

｢なんかあったら教えるから｣

｢どうしたのさ！頼もしいなぁ～｣

“一緒に頑張ろうね”
絡めた小指に想いを込めて。

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さすがに前の流れは良くなかったので…。
変えさせていただきます！