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藤山君がキーボードを叩き、画面にドッド絵が浮かび上がった。
「『カリヤ―の偉大なる冒険』……あ」
名前で誰か分かっちゃったよ。
画面にはカリヤ―なるキャラが横から飛んでくる障害物を避けて、ネットで攻撃している。
横シューってやつかな。
「すごいね、これ藤山君が?」
「まぁな。文化祭で展示するゲームなんだけど、水野瀬さんには一足早いお披露目ってことで!」
照れくさそうに笑う藤山君の隣で、天馬くんがおずおずと口を開く。
「A、最近元気なさそうだったからさ。
おれ、ゲームあんまり詳しくないんだけど、Aが喜ぶならって思って」
「2人共……ありがとう、私のために」
私の記憶は大したことないって言っていた天馬くんが、
実はこんなに私を心配してくれていたなんて。
「よし、じゃあゲームスタートだな!」
藤山君から操作方法を教えて貰い、いざゲームが始まった。
上下キーを押しながらカリヤ―を移動させて、エンターキーで攻撃。
スコアを稼いでいく。
「おー、水野瀬さん上手いな」
「A、右右! わ、左からも来てるよ! カリヤ―頑張って!」
「わわっ……何とか突破できたよ」
3人で盛り上がりながら草原、海、洞窟、遺跡、とステージをクリア。
あっという間にラストステージの城まで辿り着いた。
だけど城に入った途端、急にカリヤ―の動きがカクカクし始めた。
そしてフリーズ。画面が暗転してしまった。
「あちゃー、やっぱバグっちまうかー。そこはデバッグかー」
「ばぐ? でばっぐ?」
頭を抱える藤山君に、天馬くんが不思議そうに尋ねた。
「まぁバグってのは、ゲーム上の欠陥だな。
進行していく上で邪魔、あってはならない存在。
そしてそれを消す事がデバッグだ」
「……バグ、か」
私はぽつりと呟く。
「サッカーでも、悪い所を練習なりして改善するだろ?」
「なるほど、分かった!」
「流石サッカーバカだな……」
「あはは……でもありがとう藤山君、楽しかった」
「おう! 完成をお楽しみに」
「俺からもありがとう!」
「おうよ! カノジョが楽しんでくれて良かったぜ」
「か、かの……!?」
私と天馬くんの関係、どこまで広がってるの＿＿＿!?
・
『ゴメン!秋ネエから買い物頼まれてるんだ!
今日はさき帰るね! 天馬』
1週間後。
教室に戻ると、机にそう書かれた付箋が貼ってあった。
「あの踏切、通って帰ろうかな」
これで、私がこの世界の秘密を知るだなんて。
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黒音_幻月(プロフ) - フェルスさん» そう言って頂けて…書いてる側としてとても嬉しいです…リクエストも募集中なのでこれからも読んで頂ければ幸いです。ありがとうございます! (2020年7月5日 6時) (
レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
フェルス - ▽推しキャラに松風天馬さんを追加しました (2020年7月4日 12時) (レス) id: 01ec8b1b6b (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - iさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです…!『拝啓』は二次元の中から密かに想いを寄せる天馬くんを描きました。天馬くんらしさをこれからも出していけるよう努力させて頂きます。ありがとうございます…! (2020年4月24日 21時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
i - 書き方お上手ですね…！特に『拝啓』のやつなんか寺崎さんボイスで脳内に流れてきました。それくらい天馬くんらしさが出てます！ (2020年4月23日 0時) (レス) id: 64965fab23 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 円堂天利さん» ええ、もちろんです!いつでもお待ちしていますね! (2020年3月8日 21時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒音_幻月 | 作成日時：2020年2月29日 16時
