決意の傷跡と目的【檸檬】 ページ9
決行前夜。
怜南は幹部たちを総長室に集めた。
怜南「決行はついに明日。
これはもう一種の戦争よ。何人命を落とすか、生存確率なんて予想できない。
けど私たちは帰って来なければならない。
地下に咲く孤高の華として、まだ江戸を守らなければならない。
祭」
怜南は幹部の名前を一人一人呼ぶ。
怜南「決して無茶するんじゃないわよ。
貴方はいっつも無茶ばっかりで、医療班も手を焼いてるわ。
なまった私の腕を取り戻すことができるのは薔薇隊の貴方ぐらいなんだから。」
祭「わーってるよ。」
怜南「廉、いつも蒼司の面倒見てくれてありがとう。貴女は本当に優しいわね。貴女の行動一つ一つが隊士たちに影響を与えているわ。
もちろん、私も。また一緒に語るために帰って来ましょう。」
廉「あぁ、もちろんだ。」
怜南「京、貴方は本当に仲間思いね。
でもやり過ぎちゃだめよ。仲間思いなのはいいことだけど、貴方は突っ走りやすいから。
また一緒に甘いもの食べに行きましょう。」
京「ははっ、違いありません。」
そして…と言って怜南は後ろを振り返る。
後ろには少し心配な表情の局長と副長がいた。
怜南「副長、今回の作戦で私たちは隊士たちを導かなければならない。彼岸花総長として覚悟を固めることを宣言します。」
光秀「あぁ、俺も誓うよ。必ずみんなで帰ろう。」
怜南「局長、心配でしょうが、大将の頭を取られては軍隊は負けなんです。
屯所で待っててください。
そして私たちにおかえりと言ってください。」
環「必ず帰って来い。」
怜南は局長と握手をし、愛刀を取り出す。
そしてそれを昔つけられた一生消えない傷跡にすぅ…と傷を入れた。
祭「おい、何をしてる。」
傷跡の上につけられた切り傷からはポタポタと血が垂れ、畳を汚した。
怜南「私は彼岸花のために尽くす。
これは攘夷志士への復讐なんかじゃない。
ストレス発散でもない。
江戸を護るためにすることだから。
私は、私たちは必ず帰って来る。この傷と畳の血は私がたしかに彼岸花にいることの証。」
ごめんなさい、兄上。
復讐をする機会、だなんて貴方に誓ってしまったけど、きっと貴方が望んでいるのはそんなことじゃない。
今いる場所をしっかりと護ること。
兄上が生きていたらきっとそう言うでしょう。
だから私は精一杯護ります。
今いる場所を、みんなを。
決行まで、あと数時間。
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檸檬(プロフ) - 終わりました。あと、続編に移行しました (2018年9月17日 21時) (レス) id: 1c4b591d68 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - 更新してきます (2018年9月17日 21時) (レス) id: 1c4b591d68 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 更新しました (2018年9月17日 21時) (レス) id: a2e5ee0127 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 更新してきます (2018年9月17日 20時) (レス) id: a2e5ee0127 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - あもさん» 終わったー (2018年9月17日 20時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他8人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年9月9日 17時