戦い済んで、日が暮れて。【血塗られし彼岸花本編】【銀魂】 (ページ13)

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目覚め【檸檬】ページ13

神威から逃げ、死角の路地に入る。

神威が弥生のことを狙っている理由もわからないし、自分のことを狙ってきた理由もわからなかった。

雨女とは、目覚めるとは一体何のことなのか。

睦月「で？総長。次のご命令は？」

少しぼーっとしていると、睦月がそう聞いてきた。
正直、わからないことだらけで頭が混乱していて、上手く頭が回らない。

怜南「次…次は………。」

祭「…おい、落ち着け。焦るな。」

怜南「わかってる。でも……。私が指揮をしないと他の方向に行った隊士たちが……っ。」

早く。

早く指揮をしないと。

隊士が。

全員連れて帰るって約束したのに。

幸音「そ、総長……？」

怜南「……っ…。」

怜南の髪色は銀色に変化し、瞳は虚になりかけていた。
瞳の色はそのままだが、髪色や瞳孔の形が雫型になっており、まるで別人のようだった。

睦月「…！？」

祭「お前…それ…。」

怜南の変わりように祭たちは驚きを隠せない様子だった。

「やっと目覚めたか。」

上から声がし、振り返るとそこには神威と怜南と全く同じ髪色、瞳の色を持った男性が立っていた。

神威「小刀はフェイクだよ。避けた隙を狙って総長サンの腕に注射器を刺した。

その中にある液体こそ「淡雨族」が目覚める条件。「雨雫」。」

幸音「あわあめぞく…？あましずく…？

一体何を言ってるんですか！総長を元の姿に戻してください！」

神威「一度目覚めた淡雨族が戻るのはそう簡単なことじゃない。ね、りょーたろ。」

遼太郎「あぁ。久しぶりだな、怜南。」

怜南「あ、に、うえ………。」

完全に元の姿を失いかけている怜南が苦しそうに呟く。

周りにいる隊士たちは完全に唖然としてしまっている。

神威「さぁ、淡雨族が完全に目覚めるには同族同士で戦わせるのが一番早いんだよネ。」

そう言ったと同時に遼太郎は怜南に攻撃を仕掛ける。

今の姿を操り切れていない怜南はそれがかわせず、腹に思い切り蹴りを受けた。

睦月「…！おい！！総長！！」

幸音「そんな…っ、どうしたら…。隊長…！」

祭「…戦うしか、ないのかよ…。」