最後の雨女【檸檬】 ページ12
任務開始から1時間。
敵は一向に姿を現さない。
百合隊からも敵の動向に変わりはないという連絡しか入らない。
…妙だ。
これ程までに動かないものなのだろうか?
密売ならば引き渡す時間指定やもあるだろう。
怜南「何かがおかしいわ。まるで気付かれているみたい…。北以外の隊士たちからも連絡が入らないし…。」
と、怜南は隠れていた路地を出ようとする。
祭「おい、待て!」
すると一筋の光が怜南めがけて飛んできた。
祭が間一髪怜南の腕を引っ張り、攻撃をかわす。壁には一本の矢が突き刺さっていた。
薔薇隊北組が振り返るとそこにはすでに傘を持った連中が数人…いや、数十人いた。
睦月「夜兎…!?」
怜南「やっぱり春雨が関わっていたのね…。
でも、悪いけど引く気はないわ。」
幸音「総長、夜兎とまともに交戦してはいけません!敵う相手じゃないことは貴女もよく分かってるはずです。」
怜南「それでも…。私には確かめたいことがあるの」
怜南は夜兎めがけて突進し、鞘から刀を抜いた。
長刀という形を活かし、夜兎をまとめて斬ろうとするが、なかなかそう上手くはいかないようで、全員にかわされる。
そして足を引っ掛けられ転ばされると額に傘を当てられた。
幸音「総長!」
怜南「くっ……。」
「はい、ストーップ。」
薔薇隊が怜南の元へ駆け出し、夜兎が銃を打とうとしたと同時にどこからか声が聞こえてきた。
「一旦手引いてくれる?じゃないと…。
殺しちゃうゾ。」
睦月「神威…!」
その言葉に夜兎たちは次々と怜南から離れていく。
神威「まぁまぁそう身構えないでよ。
同志もいることだしさ。」
と言って神威は祭の方を見る。
神威「まさかこんなところで最後の「雨女」に会えると思ってなかったヨ。」
怜南「最後の…雨女…?」
神威「ねぇ、総長サン。塩原遼太郎って知ってる?」
神威のその言葉に怜南は目を見開いた。
なぜなら塩原遼太郎というのは怜南の兄の名前だったからだ。
なぜ死んだはずの兄の名前を第七師団団長が知ってるんだろう…。怜南は混乱していた。
神威「なぜオレが君のお兄さんの名前を知ってるのか…。それは君が「目覚める」必要がある。」
神威は怜南の胸に短剣を突き立てようとした。
祭「!おい、逃げるぞ!!」
またもや祭が怜南を引っ張り、駆け出す。
雨女とは、目覚めるとは、どういうことなのか。
わからないことだらけだ。
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檸檬(プロフ) - 終わりました。あと、続編に移行しました (2018年9月17日 21時) (レス) id: 1c4b591d68 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - 更新してきます (2018年9月17日 21時) (レス) id: 1c4b591d68 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 更新しました (2018年9月17日 21時) (レス) id: a2e5ee0127 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 更新してきます (2018年9月17日 20時) (レス) id: a2e5ee0127 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - あもさん» 終わったー (2018年9月17日 20時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他8人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年9月9日 17時