戦い済んで、日が暮れて。2章【血塗られし彼岸花本編】【銀魂】

死ねない【あも】 ページ10

「ははっ、睦月は本当に強いなぁ。」

祭と交戦しながら、神威は笑う。

「夜兎より弱いっていっても、人間からしたら凄い強い天人なのにネ。

対等に・・・いや、それ以上かな？」

「・・・睦月は自分で"特殊な人間"だと言ってたな。それと関係でもあるのか。」

神威はにこにこと笑顔を浮かべたまま、言った。


「そうだよ。睦月も弥生も・・・咲哉も、アンタら普通の人間とはちょっと違う。

規格外って言うのかな。」

神威は睦月の方を見る。

怜南相手に防戦一方の睦月だが、かわし、受け止めるのも相当な力や身体能力がいるはずだ。

だが、どこか余裕に見えてしまう。

いや、喋れている時点で、余裕はあるのか。


「─────だけど、さすがの睦月でも、二人同時は防ぎきれないだろうね。」


神威がそう言った瞬間、遼太郎が睦月の背後に襲いかかった。

「っ！」

「へぇ。これにも反応できるのか。だが、間に合わない。」

「っ、ぐっ！」

遼太郎の刀が睦月の脇腹を貫く。

「睦月！！」

「大丈夫っ・・・、かすっただけ、だっ・・・！」

「そんなわけないだろ！？」

「っ・・・・だから、へいき、だっつてんだろっ・・・！

こんな、ところで死ねるかよっ・・・！！

そーちょうには、もどってきて、もらわねぇとなっ！！」

睦月は顔を歪めながらも、笑う。

・・・すると、


「動きが・・・・止まった・・・・？」

蒼司がぽつりと呟いた。

怜南の動きが止まったのだ。
怜南は苦しそうに顔を歪め、呟いた。


「む、つき・・・？なぜ、けがを・・・？」

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