金色【あも】 ページ32
───────丑三つ時。
「たっ、助けてくれぇっ・・・・!!」
一人の男が逃げ回っていた。
汗をかき、男の顔は恐怖で青ざめていた。
足がもつれ、転ぶ。
「─────待てよ。」
もう一人、男が居た。
刀を手に持っている。
その刀から、紅い血が滴り落ちる。
その男の顔は見惚れるほど美しかった。
真っ赤な血が、付いていても。
「ひぃっ・・・!!」
逃げていた男の目には恐怖しかない。
「お、俺が、何したってんだ!?」
刀を持った男は首を傾げた。
「何もしてねぇよ・・・?」
「だったら・・・!!」
男は首を傾げたまま、ニタリと嗤う。
その笑みは不気味で美しい。
「オレの目の前に居た。それだけさ。」
──────狂っている。
逃げていた男はそう思った。
「オレは飢えてるんだ・・・・。どうか、満たしてくれよ。
・・・・なァ、
─────このどうしようもない渇きを、潤してくれ。」
男が刀を構えた。
月明かりに男の美しい顔が照らされた。
金色の瞳が逃げていた男を見下ろした。
吸い込まれそうなほどの瞳。
それはどこか狂気に満ちていて、
今、殺されそうになっている男は、その眼を見た瞬間に思った。
──────嗚呼。美しい。
次の瞬間、刀が振り下ろされた。
男の首から鮮血が流れ出る。
薄れゆく意識の中、男が見たのは───────
─────紅い血で染まった、それはそれは美しい....
"阿修羅"だった─────────
「さァて....。そろそろ、戻るかな。
"阿修羅"はそう呟いて、嗤う。
「ははっ、あははははっ」
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夢沢夏美(プロフ) - 更新しました (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 更新します (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 終わりました (2018年9月30日 0時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 更新してきます (2018年9月29日 23時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 終わりました (2018年9月28日 11時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年9月17日 21時