戦い済んで、日が暮れて。2章【血塗られし彼岸花本編】【銀魂】

一族【あも】 ページ29

「最近、睦月の様子がおかしいの。貴方なら、何か知ってるんじゃない？」

怜南は咲哉の方を見て言った。


「・・・・・さてね。俺は何も知らないな。」

咲哉はぐいっと酒をのむ。
怜南は眉を寄せた。

「惚けないで。貴方、親戚でしょう？」

怜南の鋭い視線を受け、咲哉はふう、とため息をつき、目を閉じた。

「・・・ひとつ、訂正しておこう。」

「何？」

「あの二人と俺は、親戚じゃない。」

「どういうこと？」

「親戚よりも、もっと親密だ。



───────叔父だよ。俺は。」

「・・・・そう。」


「別に、隠していたわけじゃない。

・・・・睦月と弥生の父は俺の兄だった。

ついでに言うと、二人の母は俺の従姉妹だった。」

「・・・それは随分と、近いわね。」

咲哉は自嘲気味に笑う。

「要するに、純血ってことだ。よそ者は受け付けない。
ずーっと、昔から、俺達一族はそうだったんだ。」

「・・・名前、変えたのね。」

「嗚呼。俺の本当の名前は如月葉月(きさらぎはづき)だ。

だが、その名前は捨てた。

今まで通り、咲哉のままで呼んでくれ。」

「もちろん。

・・・・その一族と、関係があるの？」

咲哉は大有りだ。とまた酒をのむ。


「詳しいことは、会議か何かで皆が集まったときに話すとしよう。」

「そうね。分かったわ。」


「だが、これだけは先にお前に言っておく。




──────これから先起こることに、弥生を関わらせないでくれ。」

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