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天涯孤独【檸檬】 ページ16

怜南はぐっと涙を拭き、左胸を抑えながら睦月と祭に近寄る。



怜南「……ごめん…私の所為で…。」



傷だらけになってもなお彼女は仲間を気にかけた。
左胸を貫かれ、物理的にも精神的にもぽっかり穴が空いているにもかかわらず。

彼女は取引場所へとフラフラしながら歩いていく。



蒼司「そんな状態で攘夷志士と戦うつもりっすか?」


怜南「…うるさい。」



今の彼女は完全に孤独だった。

死んだと思っていた実の兄が本当に亡くなり、
自分の所為で仲間はたくさんの傷を負った。


責任を取らなければならない。
怜南の心は孤独感と使命感でいっぱいだった。

長刀を拾い、足を引きずって歩く。


隊士たちは黙って見ていた。
彼女が倒れることをわかっていたから。



案の定怜南は倒れ、蒼司に支えられる。

左胸を貫かれたことによる出欠多量と、水不足が原因だろう。

淡雨族の星は年中雨が降っている。
彼等は水を定期的に飲まなければ生きてはいけない。

そんな不便な特徴を利用され、淡雨族の星は他の天人に滅ぼされた。

怜南と遼太郎の母はそんな中命からがら逃げ出して来たのだ。
そして逃走先の地球で父に出会い、恋をした。



怜南「淡雨族は…生きるのが下手くそね…。」



蒼司の腕の中で怜南は小さく呟いた。



怜南「撤退…よ。このままここにいたら…
皆死んでしまう……。薬は、諦めるしかない…。」



左胸に紅い華を咲かせた彼岸花総長は倒れてもなお指揮官であろうとした。

撤退【檸檬】→←馬鹿力【あも】



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夢沢夏美(プロフ) - 更新しました (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 更新します (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 終わりました (2018年9月30日 0時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 更新してきます (2018年9月29日 23時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 終わりました (2018年9月28日 11時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月17日 21時

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