検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:3,858 hit

辻斬り【あも】 ページ35

「ケーキ美味しかった〜」

信乃と八雲は屯所へ帰ろうとしていた。
そんな二人の耳に、井戸端会議をしている中年の女性達の話が入る。

「ここいらでまた辻斬りが出たんですって!」

「もう十人目よ?たったの二日で!」

「怖いわぁ〜。早く捕まってくれないかしら?」


「・・・辻斬りかー。」

「二日で十人とはな。」

「怖いねー。うちにも話が来るかな?」

「さァな。」

「──────あ。」

信乃は前を見て声をあげた。

「如月兄と如月妹じゃねェか。」

「・・・ん?」

睦月、弥生も二人に気付き、弥生は、しーちゃーん!と大きく手を振り、睦月は、よぉ、と片手を上げる。

睦月の方は隈は消え、顔色も良かった。

「睦月さん、顔色良いですねー」

「あ?ああ・・・。最近は、よく眠れるようになったな。」

睦月はそう答えるが、その顔は曇っていた。
信乃は、ん?と首を傾げる。

「それにしては憂鬱そうだが。」

八雲も首を傾げる。

「・・・・・・アイツが出てこなくなったからな。」

睦月はぼそ、と呟いた。
信乃と八雲には聞こえなかったようだが、弥生の耳にはしっかりと届いていた。

その意味を理解した弥生は、ほっとしたように笑う。

だが、相変わらず睦月の顔は険しいまま。


「そういや、ここらで辻斬りが出たらしい。」

「・・・辻斬り・・・?」

「二日で十人らしいですよー。」

「・・・・・・・それは、」

睦月の目が、見開かれた。

「・・・おにい、ちゃん?」

弥生は睦月の羽織の裾をぎゅっと握る。

信乃も八雲も、睦月の表情を見て、思わず目を見開いた。


睦月の顔が、何の感情もなくしたような、まるで人形のような無表情だったからだ。

調査依頼【ちょこくりーむ】→←ライバル意識と原因【暇猫】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢沢夏美(プロフ) - 更新しました (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 更新します (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 終わりました (2018年9月30日 0時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 更新してきます (2018年9月29日 23時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 終わりました (2018年9月28日 11時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月17日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。