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本音【檸檬】 ページ23

それから数日後、睦月と怜南は無事退院し、
屯所に帰った。


もう今では怜南が銀色の髪になり、獣のように暴れたことは話のネタになっている。



蒼司「もうあのときはヤバかったんすから〜!死ぬかと思いましたもん。」


怜南「アンタは一生死ななそうよね。」


祭「ま、お陰でなまった腕が取り戻せた。」


怜南「また手合わせでもする?」


祭「散々振り回されたんだ。それくらいしてもらわないとな。」


廉「お、この2人の試合か〜。」



環「怜南、ちょっといいか?」




局長の環が怜南を局長室に呼んだ。

仲間を傷つけたのだ。怜南はクビを覚悟した。



環「どうだ?調子は。」


怜南「えっ…あぁ、だいぶ回復しました…。」



思いがけない一言に間抜けな声が出てしまう。



環「そうか。それは良かった。
でもな、泣きたいときは泣いていいんだぞ。

お前も"人間"なんだから。」



あれ程のことがあったのに、自分を人間として扱ってくれていることに思わず涙が溢れでた。

そしてそのまま怜南の涙は蛇口をひねったかのようにボロボロと流れる。




怜南「ずっと、本当の家族が欲しかった…。

やっと兄上を見つけて、また皆で暮らしたくて、そのまま死んじゃいたかった…。

睦月の弥生のこと、ずっとずっと羨ましくて、たまらなかった。

家族が、喉から手が出る程欲しかった…。」



環「私たちじゃ駄目か?

確かに私たちは血は繋がってない。
けれど、確実に家族より多くの時間を過ごした何よりも特別な存在だ。

喜ぶときは共に喜び、慰め合い、また一緒に進んでいく。

人斬り集団なんて言われているが、
私はここがどこよりも暖かい場所だと信じている。


お前はどうだ?怜南。」


怜南「私…も、ここが好きです…。

ずっとここにいたい…。」


環「あぁ、いればいいさ。だって私たちは家族なんだから。」



環はそっと怜南の頭に手を回し、抱きしめた。



__________________


これにて吉原篇完結とさせていただきます。

怜南の過去を書きたいがために、
怜南メインになってしまってすみません。

私も出来るだけ皆様のキャラがメインの篇を書きたいと思っています。

もしリレー小説式でないところで自分のキャラメインの話を書きたいという方がいらっしゃれば、派生小説で書くことをお勧めします。

長々と怜南の過去にお付き合いくださり、
ありがとうございました。

嗤う獣【あも】→←目覚め【檸檬】



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夢沢夏美(プロフ) - 更新しました (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 更新します (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 終わりました (2018年9月30日 0時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 更新してきます (2018年9月29日 23時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 終わりました (2018年9月28日 11時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月17日 21時

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