Branch road 【from Correlation chart】

Ryo's road　29：素材 ページ29

＜圭子 side＞


あれから亮くんの事、なんとなく避けてた

あんな酷いこと言っちゃったから…


会社にいる時みたいに「強気な圭子先輩」を装って言ったあのセリフ


『結婚とか考えてる？』

『亮くんに、その覚悟はある？』


後悔してもしきれない…

でも、結局、まだ諦めきれてない…

こんな事なら、余計な事考えないで、付き合っちゃえば良かった…

その先の事なんて、後にならないとわからないのに…



もうすぐバレンタイン…

どうしよう…

あんな事言っておいて、今更チョコ渡すとか…



ホントの私はこうやってウジウジ考えちゃうタイプ

会社では出来る女風を演じてるから、家に帰るとグッタリ…

亮くんとお喋りしてる時は、普通の女の子に戻れた気がして…リラックス出来てたんだけど…

最近は身体も心もボロボロ





お昼休み、いつもの所に行こうとしたら、見慣れない人がデスクにいた

あの席は…



えっ…亮くんなの？


髪は短くなってて、眼鏡もかけてない…コンタクトにしたのかな？

服も…あっ、あの時の…

思わずじっと見てたら、私に気付いた亮くんがこっちに近付いて来た


亮「圭子さん、お久しぶりです」

『久しぶりだね』

亮「俺…変わりたくて…」

『えっ…』

亮「圭子さんに、結婚相手に見てもらえるような男に変わりたくて…」

亮「とりあえず、見た目変えてみたんですけど…どうですか…」


ちょ、ちょっと…めちゃくちゃ格好良くなってる…

私の為に…って、自惚れていいんだよね…



眞「あれ？亮くん？超カッコいいじゃん」


いつもの場所に集まってきた眞砂子ちゃんが声かけた


亮「あっ、ありがとうございます…」

眞「こんなにイケメンだったとは…ね、圭子さん、ビックリですよね」

『そ、そうだね…』

眞「ねぇ、亮くん、今度飲みに行かない？」

亮「はぁ？」

眞「だから…ふたりで飲みに行こうって言ったの、やっぱり素材は良かったんだよね…ｳﾝｳﾝ」



このままだと、眞砂子ちゃんに…



『りょ…』

亮「俺、好きな人いるんで」


私が『亮くん』って呼ぼうとしてるのを遮るかのように、亮くんが言ってくれた


眞「そうなの？なぁんだ、つまんない…圭子さん、お昼食べましょ…じゃあね、亮くん」

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