コスパ最強系男子と葛藤 ページ33
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素直に喜ぶことが出来ない。
…本当は他に誰か、もっとふさわしい人がいたのに。
『ごめん、俺本当はこの順位、受け取るべきじゃないのに。』
ハオ「何言ってるの、ヒョン。」
『だって、…あんな偶然が重なっただけなのに、』
フェテク「A、」
『あれは、実力じゃなかったのに、』
考えたくもないけれど、それでも思考は止まらない。
もし、アクシデントがなかったら、と。
俺は、実力不足だったのは承知しているし、
今回は実力というより、咄嗟の対応力だけが評価された気がした。
『……ご、め』
フェテク「謝るのは違うよ、A。」
フェテクヒョンが、はっきりとそう言った。
フェテク「悔しいよ、めちゃくちゃ悔しい。
…けど、そのアクシデントに対応出来たのは、Aの力でしょ?」
『でも、』
ハオ「おかげでチームとして1位になれるかもしれないですよ、あれだけ盛り上がったんだから。」
ハンビン「そうですよ、あのアクシデントがなかったら、
注目されずに終わってたかも。」
そのあたたかい言葉に、
ゴヌク「ヒョン泣いても良いっすよ、」
『は、俺泣かないから、』
フェテク「Aや〜泣いたらヒョンが慰めてあげる。」
少しだけ、救われた。
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作者名:笹野。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sasanopandadesu
作成日時:2023年3月15日 23時