虎と兎１「期待」 ページ3
〜Aside〜
只ひたすら歩いていた
偶然にも、ぶつかってしまった相手はあの探偵社の方らしい
私は″私″に怯えて生きている
否、
大罪を犯した私は、生きていてはいけない
でもどうやら彼によると、探偵社は殺しの依頼は受けないそうで、殺される本人の依頼であろうと駄目なのだそう
「でも……僕が君を助けてあげるよ」
彼はそう云ってくれた
希望を…光を持つ彼が……眩しかった
その眩しさに惹かれたのか……あるいは″助けてくれる″という言葉に惹かれたのか、私は頷いていた
A「名前を……聞きたいです」
彼は笑って″敦″と答えた
敦「僕は中島敦。君は？」
A「灰谷A。中島さん、助けてくれるって云うのは……その、どうやって？」
普通、罪を犯した者には処刑するのが世間というものだと思っていたから、助けてくれるというのがどういう事か、分からなかった
彼………中島さんは″う、うーん″と少し唸ったあと、誤魔化すかのように笑って
敦「先ず、君の事を色々知ってからだね！」
そう云った
私の事とは、具体的に何を話せばいいのかな……
敦「探偵社に着いたら、お話聞かせてね」
そう云って、また中島さんは微笑んだ
彼はよく笑っている人なのかな
でも果たして、私を助ける方法などあるのだろうか
私の″罪″は、全て異能から来るものではあるのだけれど、その異能を私は制御する事が出来ない
A「異能を無くす人がいたりするの？それとも、異能を消せる誰かがいるの？」
とにかく私は、異能を捨てたかった
敦「異能……。君、異能を持ってるの？」
彼は驚いたように聞いてきた
A「うん……。こんな異能、ほしくもないし、なくなればいい」
彼は目を見開いて、″そっか″と呟いた
敦「君の悩みが何か分からないけど……異能の事なら大丈夫だよ！」
彼は何の根拠を持ってそう云ってるのか分からないけど、自信ありげに笑った
敦「僕もね、前に異能が制御出来なくて……虎になるって能力なんだけど。ずっと周りに迷惑かけてたんだ
でも探偵社に入って、今ではこの異能も好きになれたし」
家もご飯もあるし、と小さく呟いた辺り、彼はお金に目がないのだろう←
でも、私と同じような悩みを持っていた彼が救われたと云う探偵社
私も救ってくれる、って……
少し、期待してもいいのかな……
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果汁ジノ％(プロフ) - もちさん» ありがとうございます！べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです！新作の方も宜しくお願いしますね！( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (
レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ％さんの作品とても好きです！このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました！イラストも上手で尊敬します！これからも頑張って下さい！！ (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ％さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ％(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね！ (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：果汁ジノ％ | 作成日時：2018年9月8日 7時
