あなたが好き。【トリップ】

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あの後、俺は家に帰り、ずっと泣いていて、そのまま泣き疲れ、寝てしまった


「ハァ…、顔洗お…」

今日はレストランのバイトがある

洗面所で自分の顔を見る

「はっ、ひっどい顔だな…」


まるで女のように泣いてしまった
俺、ほんと零さんに関して弱いな…


零さんから連絡が来ているのはわかっている
それに返せていない
もう俺の気持ちがバレていると思う

振られるのはまだいい
その後、距離を置かれるのが怖い


「ハァーーー、女々し、俺」


今日バイトが終わったら連絡を返そう、バイト前に見てろくに仕事出来なかったら大変だ


そう思い、俺は準備を始めた



「お疲れ様でーす」

バイトも終わり、連絡を返そうとする


今日やばかったな…、普段しないようなミスしちった…


昨日から暗すぎる、今までこんなことなったことがなかったのに


「えーと…、【昨日はすみませんでした。気にしないでください。】っと」

理由を聞かれるだろうが一応こう言っとく


あーーー、理由聞かれたらなんて返そう
距離置かれたくねぇなぁ…「おい、A」


名前を呼ばれ、振り返ると零さんがいた

「え…、れ、透さん…」

「車を向こうに止めてます、行きましょう」

「は、はい…」


拒否権ねぇよなぁ！？乗りたくねぇぇ…


大人しく零さんについていく
零さんはいつも通り助手席を開けてくれる

いつも通り優しい零さんにきゅんとしてしまう


こんな状況なのになぁ…


零さんのRX-7の助手席に乗る
零さんは運転席に乗り、RX-7を走らせる

無言の状態が続く

零さんがいつも曲がる道を何故か曲がらない

「零さん？俺の家に行くんじゃないんですか？」

「今日は僕の家に行きます」

「え？」

零さんの家に行くのも驚きだが、車の中だというのに何故か敬語を外してくれない零さんに、距離を感じた


やべ、泣きそ


涙が出ないように、俺は必死に外を見る

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