例えば、俺みたいな小学生がいるとして。２ (ページ3)

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｢友達じゃない？｣
｢今は友人では無いな。喧嘩中だからな｣

それもそうか、と思い直した

｢警察って格好良いよね｣
｢そうだな。日本の警察はよく知らんが、君は警察に憧れているのか？｣
｢うーん･･･、憧れっていうか、三、四年ぐらい前に柄の悪い警察の人に会ったんだ｣

俺の年がまだ十も過ぎていなかった時の事だが、その時の事はよく覚えていた

サングラスを掛けたふわふわの髪の毛をした名前も知らない警察だと言っていた男の人。家の方向が分からなくなって、迷子になっていた俺を助けてくれた

｢その人は、全然警察っぽく無かったけど、凄く格好良かったんだ!!｣
｢ほぉー･･･どんな風に？｣
｢えーっとね、俺が迷子になった時、助けてくれたんだけど、その時に、｣

その時、俺は自分の家まで分かる道まで、その人と喋りながら一緒に探していたのだが、俺達が歩いている前方から悲鳴のような声が聞こえた

どうやら、ひったくりに遭った人がいたらしくて、犯人がこちらに向かって走って来た

｢向かって来た犯人をその人が一瞬で取り押さえたんだ!!それで、警察の応援が来るまで待ってたんだけど、犯人が逃げ出そうとして、｣

だけど、その人は逃げ出す前に犯人の胸倉を掴んで、逃げられないようにしていた。その後、警察の応援が来て、犯人は捕まり、俺はまた男の人と一緒に歩き始めた

｢すっごく格好良かったんだ｣
｢･･･君は警察になりたいと思うか？｣
｢なりたいな!!そしたら、あの人にも会えるかもしれないじゃん｣

また会う約束をしたけれど、まだ会えていない。だったら会える日を待つよりも会いに行く事も考えても良い気がした。何年先になるか分からないけど

｢そうか。応援しているぞ｣
｢ありがと!!多分、父さんもそっちの方が安心するだろうし｣
｢父さん？｣
｢俺の父さんも警察なんだ｣

そう言うと赤井は少し驚いたように目を見開いた

｢そうだったのか｣
｢うん。だから、なりたいって思うのもあったかな｣
｢良いと思う。君が警察になると言うならば、俺も暫くは警察を続けていよう。そうすれば、会える機会も増えるだろうからな｣

赤井はそう言いながら、頭を乱暴に撫でて来る

｢俺、頑張る!!｣
｢ああ。安室くんを支えてやってくれ｣
｢何で透くん？｣
｢警察は国を守るのが仕事だ。安室くんは日本の国民だろう？守る対象になる｣

流石、現役の警察は言う事が違う

国を守る事が仕事になる。守るべきものは多い

｢俺になれるかな･･･｣
｢なれるさ。自分を信じて、頑張ってみろ｣

さっきとは違い赤井は優しく頭を撫でてくれた