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「うん。絶対、立派な警察官になって、皆を守る!!」
「その意気だ」
ぼんやりとしていた将来の夢がハッキリと見えた
「なんだか、赤井には助けられてばかりだね」
「そうか?」
「そうだよ。二回しか会ってないのに、二回とも助けられてるもん」
透くんとの時、今もこうやって話しているだけでも、自分の事が解決している。それがなんとも不思議な感じだ
「構わんさ。子供は大人を頼るものだ。もっと言えば、子供からすれば大人なんて頼る以外に使い道は無い」
「そこまで言うんだ」
「事実だろう?」
赤井は笑って言うけれど、本当にそうなのだろうか?透くんや昴くん、赤井は確かに頼りになるけれど、俺からしたら頼るだけの存在では無かった
「赤井」
「何だ?」
「赤井とかとこんな風にお喋りするのは頼ってる内に入るかな?」
「・・・入らんな」
答えられた事にホッとした
「良かった。赤井は俺の友達になってくれる?」
「俺で良ければな」
「当たり前だよ!!じゃあ、秀一って呼ぶから、Aって呼んでよ」
「分かった。さて、俺はそろそろ帰るとするか」
そう言って秀一はベンチから立ち上がった
「また会える?」
立ち上がった秀一に問い掛けた
「すぐには無理だが、会えるだろう。何か俺に用事があれば、沖矢を頼ると良い」
「分かった!!またね、秀一」
「ああ、また」
歩いて行く秀一に小さく手を振って、公園を出て行くのを見送った。見えなくなってから、自分もベンチから立ち上がった
家に帰り、晩御飯を食べながら、父さんが早く帰って来そうな日を母さんに訊いた。それと、母さんにも相談する事にした
「母さん。俺、大人になったら警察官になりたい」
向かい合った母さんに言うと、晩御飯を食べる手を止め、こちらに視線を向けた。その目付きは睨んでいるように鋭いものだった
「警察ですって?」
「うん」
鋭い目付きのまま訊いて来た母さんの目を真っ直ぐに見詰めて頷いた
「・・・そう。まぁ止めはしないわ。じゃあ、一杯お勉強しないとね」
そう言った母さんは目を閉じて、開いた時にはさっきまでの雰囲気が全く無かった
「べ、勉強・・・」
母さんに言われて、勉強をしなければならないという事実に驚いてしまう
「母さんも手伝ってあげるから、安心しなさい」
「母さんって勉強出来るの?」
「失礼ね、出来るわよ。こう見えても学校では一番だったのよ。父さんよりも優秀だったんだから」
自慢げに母さんは笑った
母さんと父さんは同じ学校出身だという事を初めて知った
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時