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「風呂に入るか、一緒に」
「うん」


朝、目覚めたAと一緒に風呂に入った。いつもより、手櫛の通りが悪いAの髪の毛をシャンプーとコンディショナーで、丁寧に洗っていく


「それにしても、マニアックなお願いだったね」
「ごめんごめん。でも、Aをいつもより強く感じられたよ。また今度お願いしても良いか?」
「良いよ。恥ずかしいけど。・・・いつもより激しくて、俺も気持ち良かった」


小さな声で告げられた感想に、何かがグッと来た


「・・・えと、当たって、るんだけど・・・」


グッと来た何かが、体に表れてしまったようで、Aに困ったような声に指摘される


「・・・もう一回、しても?」
「しょうがないなぁ、透くんは元気だね」


明るい笑い声をあげながら、彼は了承してくれた。自分でもしつこいと思う行為を彼は何も言わず、それ以上に笑いながら受け入れてくれる

何度も彼を自分好みに壊し直そうとも思った

誰の事も思い出さないように、彼の根本から崩して、僕だけのAにしようと思った

だけど、それは出来なかった

友人を知る数少ない友人の一人だから

友人達を忘れてほしくはなかった


「うぅ、体が重い・・・」
「大丈夫か?ほら、ここに座って」
「うん・・・」


朝から疲れてしまった彼を椅子に座らせる。疲れてしまった一端は僕にあるので、身の回りの世話を焼く


「今日はキスの日?」


世話を焼いている隙にも、何度かキスをしているとAは笑った


「そうかもな」
「そっか。そう言えば、お仕事は?」
「今日は休みだよ」
「そうなんだ。なんだか、最近はいつもより忙しそうだったから、嬉しいな」


新しく仕事を増やしてしまったせいで、一人の時間が増えてしまった事による不安。それをAに与えてしまっていた

それがAの表情から見て取れた


「好きだよ、A」
「俺も好き。ずっと一緒にいようね」
「勿論だ」


折角の休みだから、Aの事を思いきり甘やかしてやった。何がしたいかを訊けば、ずっと傍にいたいと願われ、布団の上でずっと寄り添っていた

目が合えば、キスをして、それ以上の事をして、部屋のどこに行くのにも一緒で、お手洗いに行くのにも一緒だった。そこでも行為をしていた

狭い空間での行為は興奮を誘う

結局、休日の一日は濃厚にも密着して過ごしていた。甘く切ない響きを持つAの声は、僕を狂わせる

満足のいく休日を送り、仕事のある次の日を迎えてしまった。のは良いのだけれど、おおはしゃぎをしながら眠ったせいで、非常事態になってしまっていた

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作者名:空白可能 | 作成日時:2023年3月27日 23時

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