可愛い担当の友人の話【男主】 (ページ7)

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｢そこまで潔癖症じゃない｣
｢潔癖症なんですか？｣
｢普通だと思う｣

じゃあなんでその話題を出したんだ、と思うが、口には出さなかった

｢車はこっち｣
｢はい｣

Aさんの車まで案内してもらう

｢これ｣
｢ミニクーパー･･･？｣

案内してもらった駐車場あったのは緑色のミニクーパーだった

｢可愛いでしょ。お気に入り｣
｢もっと分かりやすい高級車に乗ってるイメージをしてました｣
｢ベンツとか？｣

訊いて来たAさんに頷いた

医者と言えば、お金持ちのイメージだから、誰が見ても高級車、という車に乗っていそうだった。ベンツもそうだが、ポルシェやフェラーリが出て来ると思っていた

｢可愛いですね｣
｢でしょ。乗って｣
｢分かりました｣

助手席に乗せてもらい、彼も運転席に座った

｢それにしても、どこの病院に勤めているんですか？｣
｢米花中央病院｣
｢･･･そうですか｣

病院の名前を聞くと少し前に起きた事件の事を思い出した

｢そこだけじゃないけどね｣
｢そうなんですか？｣
｢俺は忙しいから、色んな所に出向いてる形になってる｣

しかし、病院を転々としていると連絡がつきにくい為、Aさんは米花中央病院に勤めいている事になっている

そこにAさん宛の連絡は全て来る事になっていおり、呼ばれたら、その病院に出向くという形式を取っているのだと話してくれた

車で移動している最中に、色々な話を聞いた

話を聞いているとすぐに病院に着いてしまったようで、車が停まった

｢着いた｣

そう言って、車から降りた彼の後を追って、車を降りる

｢あれ、ここは米花中央病院では無いですよね？｣

車から降りて見えた場所は病院ではなく、見知らぬ小さな診療所と看板が立つ場所だった

｢今日はここなの｣
｢そうですか･･･って、待ってくださいよ｣

短く返事をした彼は診療所の方に歩いて行く

｢お疲れ様ぁ｣
｢あ、お疲れ様です。黄閖先生｣

診療所に入って声を掛けたAさんに中にいた受付の女性が返事をした

｢キユリ？｣
｢黄閖は俺の苗字｣

問い掛けると彼は何事も無いように答えた

｢皆の様子は？｣
｢相変わらずですよ。皆、先生に会いたいって言ってます｣
｢本当かなぁ｣

穏やか雰囲気で二人は話しており、信頼関係が滲み出ている

｢安室、こっち｣
｢あ、はい｣

話が終わったのか、Aさんに声を掛けられて、診療所の奥に歩いて行く彼を慌てて追い掛けた。奥に行くと広間のような場所に繋がっていて、そこに子供が数人いた