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後日談 ページ33

Aさんと会わなくなって、幾分かの月日が流れていて、暫くの間、眠っていた安室 透が目を覚ます時が来た

また潜入捜査が始まるのだ

潜入先は病院で、怪しい人物がいるので、その人物の身元を洗う事、何と繋がっているのかを調べる事が潜入の目的だった。あの組織に潜入していた頃よりは、マシなような気がする

病院と言えば、Aさんが思い出されるが、潜入先の病院は米花中央病院ではないので、会う事は無いだろう

そんな事を思いながら、潜入先の病院に看護助手として入った

潜入先の病院は賑わっていて、目的の人物を探すのには骨が折れそうだった。と言っても、医者らしいので、すぐに分かるはずだ


「あ、」
「はい?」


後ろから聞こえた声に振り返った


「安室だ」
「A、さん・・・?」


振り返った先には、いつ振りなのか分からない白衣姿のAさんがいた


「少し話さない?」
「・・・是非」


彼の誘いに乗り、誰もいない屋上に出た


「お久し振りです。Aさん」


あまりはしゃいだりは出来ないので、冷静を保ち、彼に言った


「久し振り。安室はまた?」
「はい。ここの病院に怪しい人物がいるという事で調べに」


Aさんは僕の仕事が分かっている為、言っても大丈夫だろうと思って、潜入の理由を話した


「怪しい人物ね。どんな人?手助け出来るかも」
「えーっと、ここにいる医者らしいんですが、幼少期から人体実験に関わっているとか、いないとか」


そんな話だった

対象は人体実験に関わっていて、それの真相を確かめる為にも、色々探る必要があった


「幼少期から人体実験・・・」
「何か思い当たる人でも?」


僕から視線を外して、何かを思い出そうとしている彼に問い掛けた


「それ、俺かも」
「え・・・?」


Aさんの返事が頭に入らず、間抜けな声が漏れた


「幼少期から人体実験でしょ?俺だと思うよ。俺は被験体の方だけど」
「・・・被験体?」
「そうだなぁ。何年、何十年前だったかな・・・」


訊くと彼は話してくれた

何十年も昔、アメリカに住んでいたAさんは誘拐された。その当時、彼は十にもならない子供だったという。ニュースになって、現地の警察も動いたが彼は見付からず、月日は流れて、彼は大人になっていた


「いくら年を取っても体は成長しなかった。成長が極端に遅くなってるんだな」
「成長が極端に、」


そんな事は有り得ない、と言いたかったが、工藤くんや宮野さんの事を考えれば、有り得ない事ではなかった

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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年9月11日 0時

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