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だけどスコールは飼い主のもとに帰ろうとしなかった

僕が歩いて行くとスコールもついて来た

それが何度か続いた


「スコール。待て」


僕は命令を出した。冷たく言い放った


そして元の飼い主の人に軽く頭を下げて歩き出した

スコールはついて来なかった

当たり前だ。僕の言うことは何でも聞く良い子なんだから


それからスコールの事は忘れようと思っていた

でも数ヶ月の間で構築された僕達の関係は濃くて、一ヶ月程経った今でも忘れる事が出来なかった


ポツポツと雨が降って来た

駐車場から自宅に帰る道のりだ

ポツポツと降って来ていた雨は次第に強くなり、あの時を思い出させた


僕とスコールが出逢った時の事を


スコールという名前は恐らく、あの飼い主が付けた名前だった。だから反応した

ただそれだけ


ならどうして僕の命令は聞いた?どうしてついて来ようとした?

考えれば考える程、沼は大きく深くなって行った


ギリと歯を鳴らして僕は走り出した


大粒の雨が降る、街中を。スコールと共に歩いた道を

そして息を切らして辿り着いたのは、僕とスコールが別れた公園の前だった


いる訳無いのに。探して捜した


「スコール!!」

「・・・ァウ」


小さく聴こえた声を聞き逃さなかった

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作者名:空白可能 | 作成日時:2017年5月26日 18時

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